2013年01月03日

soxでカセットテープ音源のスピード調整

ずいぶんと以前、Audacityでカセットの整理で書いたのだが、古いカセットテープの音源は、すべてMP3に落として後生大事にハードディスクに保存している。なつかしいテープばかりだから、捨てる気になれず、手間暇かけてMP3化したわけだ。ところが、この音楽ファイルを聞くことは滅多にない。いろいろと理由はあるのだけれど、最大の問題は再生装置がないことだ。もちろんパソコンで再生することはできるし、MP3プレーヤーで聞くこともできる。けれど、コンポが壊れて以来バックグラウンドミュージックとして部屋で流すのに適した装置がなく、わざわざイヤホンつけてまで聞くのも大層なので、ほとんどオクラ入りになっていた。

実際、最近は音楽を聞くのはほとんどカーステレオに限られてきてしまっている。だから、MP3プレーヤーとFMトランスミッターを組み合わせて車で聞くつもりだった。ところが、これが雑音を拾うばかりでちっとも快適ではない。なんだかなあと思って、それもやめていた。調べてみると軽自動車ではエンジンからトランスミッターまでの距離の関係で雑音を拾うことがあるらしい。どうもそういうレアなケースに遭遇したらしいと、すっかりその方面は諦めていた。

ところが、最近になって妻がMP3プレーヤーの代わりにiPhoneを持ちだしてFMトランスミッターを試してみると、雑音のないクリアな再生音がする。なんのことはない、雑音を拾っていたのはFMトランスミッターではなく安物のMP3プレーヤーだったわけだ。そうとわかったら、やっぱり古い音源も聞きたくなるだろう。

だが、ここで問題が発生した。いや、あらためて発生したというよりも、以前から放置してあった問題がクローズアップされることになった。

カセットテープの走行速度は、ちゃんとした規格が定められている。もしも規格外のスピードで再生したら、音程やテンポが元の音源と狂ってしまう。けれど、実際にはカセットテープの走行速度はデッキやテープレコーダー、ラジカセの機種によって、微妙に異なっている。このことはずいぶんと以前から気づいていた。というのははるか昔、高校入学祝いにカセットデッキを買ってもらったとき(というか、「祝いに買ってやる」というので自分で日本橋に買いに行ったのだけれど)、そのデッキでラジカセ録音のテープを再生すると音程が違うのに気づいたからだ。これは私がギターが趣味で、録音した音源に合わせてギターの練習をしていたからはっきりとわかったのであって、ぼんやり聞いていたのではわからないレベルだっただろう。実際、その後も「デモテープ作ったから練習しておいて」と言われて渡されたテープの再生でフラストレーションを感じたことは何度もあった。

そして、妻と私が過去に何台かのデッキで録音したテープを最終的にMP3化する際に使用したウォークマンタイプのカセットプレーヤーで再生すると、ほとんどのテープで再生速度が数%遅くなる現象が発生した。なかには音程がぴったりのものもあったから、このあたりは相性というか組み合わせの問題だったのだろう。

最初は、「まあいいか、しょせんはカセットテープの音源だし」と思っていたが、この数%の間延びした音は、音楽として楽しむにはちょっとつらいものがある。ようやくちゃんとした環境で古い音源を鑑賞できるようになったのに、どうにも間延び感が気に入らず、結局は聞くのをやめてしまった。

これではあんまりにも情けない。Audacityを使えば再生速度の変更はフィルター一発でできる。もともとMP3への変換ではAudacityを使ったのだからその時点でひと手間かけておけばなんの問題もなかったわけだ。ただ、それをいまからやり直そうと思ったら、いちいちファイルを開き、フィルターをかけ、保存をしなおすという手間をファイルの数だけやらなければならない。テープはA面とB面の2ファイルに分かれているから、約300本のテープで600ファイル以上。これはやっていられない。

こういうバッチ処理は、やはりスクリプトで処理すべきだろう。私は「端末を開いてコマンドを」というCLIがほとんどできないGUI派だけれど、スクリプト処理の威力は知っている。コマンドラインでAudacityが使えればいちいち手作業で変換処理をしなくてもバッチでOKではないかと見当をつけた。

その上でちょっと調べてみると、Audacity並みのパワフルなサウンド処理ができるCLIのソフトでsoXというのがあるのを知った。これはUbuntuのリポジトリにも収録されている。そこで、このsoxをインストールし、端末を開いて
sox 1.mp3 2.mp3 speed 1.04
と入力してみた。ここで1.mp3というのはテスト用のmp3ファイル、2.mp3が出力ファイル、1.04という数字は4%だけスピードを早くするようにという指定である。ところがエラーが出て処理ができない。ちょっと悩んだが、これはリポジトリに収録されているsox用の追加のライブラリをインストールすることで解決した。このコマンドを実行すれば、1.mp3というファイルの再生速度が修正されたファイルが2.mp3として作成される。

さあ、あとはこれをバッチでやればいいんだと思ったものの、方法がわからない。ワイルドカードを使ってみてもうまく行かない。というのは、出力側のファイル名をうまく指定できないからだ。こういうときはシェルスクリプトを書けばいいとは思うのだが、シェルスクリプトの作法は知らない。昨年少しだけPythonを勉強する機会があったのでそれを応用しようかとも思うけれど、正月早々にそんな大層なことをやるのも面倒だ。

そんなことを思いながらさらに調べていたら、こちらにsoxを使ってwav形式のファイルを.cdrという形式に変換するコマンドが掲載されていた。ちなみに.cdrという拡張子のファイルがどういう形式なのかはさっぱりわからないが、この際それはどうでもいい。最終的にこのコマンドを参考にして、次のコマンドでバッチ処理を行った。

$ for i in `ls *.mp3`; do echo -e "$i"; sox $i a/$i.mp3 speed 1.04; echo -e "$i.mp3"; done

これを大量のmp3ファイルがあるディレクトリで端末を開いて実行する。なお、このディレクトリ内に"a"という名前のフォルダを予めつくっておいた。変換後のファイルは、このaフォルダに生成されていく。スクリプトの意味は恥ずかしながらあんまりわからないが、端末に処理済みのファイルの名前が次々に表示されていくところを見ると、「echo」はその指定なのだろう。lsでフォルダ内のファイルの情報を読み取り、それを順次処理していくことになるようだ。最終的にできるファイルは、ファイル名が1.mp3.mp3というぐあいに拡張子がダブってしまう。これをスクリプトで処理しておくのが本当なのだろうけれど、このぐらいのことならxfce4のデフォルトファイルマネージャであるThunar付属のバルクリネームであっという間に処理できる。ちなみに、上記のスクリプトはファイル名にスペースがあるとエラーを起こすので、処理前にファイル名のスペースを別文字に変換しておく前処理が必要になる。この処理にもバルクリネームは使える。なに、Thunarでフォルダを開いておき、ファイルを複数選択してF2を押すだけなので至って簡単。

うまくいかなかったのは、おそらく元ファイルの圧縮率の関係で、変換後のファイルサイズが変換前のおよそ2倍になってしまうこと。圧縮率を変化させるコマンドもsoxにはあるのだけれど、これはどうも使い方がよくわからずに断念した。

本当は、一律4%ではなく、それぞれのファイルごとに微妙に音程は異なるようだ。けれど、そこを突き詰めるよりは、とりあえずこれで快く聞けるようになったのだからよしとしようではないか。

posted by 松本 at 16:14| Comment(12) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月24日

AndroidのVirtual RecorderのデータをAudacityで取り込む

最近では新古品のAndroidスマホがけっこう出回っているようなのでそうもいえないのだけれど、一時はおそらく最安レベルで手に入れられるスマートフォンだったIDEOSを使っている。さすがに安物だけあっていろいろと「使えないなあ」というところもあるのだけれど、同時にこのレベルの製品としてもけっこう役に立つところは多く、それなりに愛用している。たとえばGoogleのナビは、カーナビ代用としてそこそこに役に立つ。特にSIMカードを日本通信のイオンSIMからIIJの高速モバイルDに変更してからは、それなりにきちんと反応してくれるので、かつかつ実用レベルと言えるだろう。そのほか日常的に使っているのはメールと電話、Twitterクライアント、YouTubeぐらい。これらの機能に関しても、実用レベルと使えないレベルの境界線には近いのだけれど(特に電話はタイムラグがひどいのだけれど)、無理やり使っている感じ。それらに比べてもっといい感じで役に立っているのは、録音機としての機能だ。これは、Virtual Recorderというアプリを使っている。最初これを入れたときには、音楽の録音に使おうと思っていた。たとえばギターの弾き語りを簡単に録音しようと思ったら、昔ならラジカセを使ったが、いまならパソコンの内蔵マイクが使える。ところが、パソコンの内蔵マイクは、機器の性質上、どうしても雑音を拾う。いくら静音仕様のパソコンだと言っても、やっぱり動作音はするし、特に電磁的な雑音はどうしても消すことができない。けれど、スマホであれば、回路が小さいせいか、もともと携帯電話としての音響面での動作が重視されているせいか、機器由来の雑音が小さい。それに気がついたので、こっちで録音しようと思った。けれど、そんな遊びをしている時間もあまりなく、実際にはあまり使わないでいた。

それが、この秋になって、会議で記録をとる必要が何度か発生するようになった。急なことでデジタルレコーダーも用意できないときにこのVirtual Recorderを走らせてみると、けっこうよく音を拾ってくれる。なかなか使える。ひょっとしたら、アプリのなかでいちばん実用的かも知れない。

ただ、この録音ファイルをパソコンで聞こうと思っても、Ubuntuの動画プレーヤーであるTotemでも、より使いでのあるVlcでも再生できない。ファイルの拡張子が.pcmとなっているが、これはPCM音源であることを表していても、それ以上のものではないようだ。たとえば拡張子をWavなど他のPCM形式のものに変更しても再生はできない。

こういうときに、Audacityは無敵だ。Audacityでも直接開くことはできないが、いったん起動しておいて、メニューバーの「ファイル」から「取り込み」の「ロー(Raw)データの取り込み」とやれば、再生可能なデータとして取り込むことができる。ただ、このとき、おそらくサンプリングレートの設定が異なるのだと思うが、倍速での再生になってしまう。取り込み時にきちんと設定すればいいのかもしれないが、ここは取り込んだあとでも「エフェクト」の「スピードの変更」から修正すれば問題ない。

Audacityで開いたついでに、スピードの修正後、クリックノイズの除去や音声の平滑化、正規化、聴きやすい大きさまでの増幅などの処理をおこなっておいて、MP3に書きだせばいい。なお、MP3の書き出しのためには以前には追加のコーデックスをインストールする必要があったとおもうのだけれど、最近のUbuntuではシステムのインストール時に追加のコーデックスをインストールするチェックを入れているせいか、この手順は不要だった。

音声を取り込んだのはいいのだけれど、ここからテープ起こしとなると、あいかわらずアナログな作業にならざるを得ない。そういう必要がない仕事だったからいいのだけれど。
posted by 松本 at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月03日

LXDEは進化していた

ここのところ出先のパソコンを使うことが多いのだけれど、先方が特にこだわらないので可能なかぎりUbuntuを使っている。たしかにWordファイルの互換性とか微妙なところも多いが、Ubuntuの方が仕事が捗るのだから仕方ない。その仕事現場が一時的に変更になって、使うパソコンも別のものになった。こっちにもUbuntuを入れたのだけれど、このマシン、かなりスペックが低い。特に、このご時世にメモリが512メガ(ビデオRAM共有なので実際にはもう少し低い)しかないのはやりきれない。

こういうときには、以前からの常套手段であるデスクトップ環境の変更という手段でしのぐしかない。この方法、最初にUbuntuを使いはじめたときにJWMを使うことで効果を実感した。GUIまわりのデスクトップ環境は最も基本的な常駐ソフトであるわけだから、これを軽量なことにする意味は、低スペックマシンでは大きい(逆にメモリが十分にあるマシンでは、ほとんど意味はない)。削減できるメモリ量は100Mとかせいぜい200Mとか程度なので、現行のUbuntuであれば(使い方にもよるが)、1Gもメモリがあれば特に必要はない軽量化だ。だが、512MBしかない場合、100MBのメモリ使用量を削ることは十分過ぎるほどの意味がある。

軽量デスクトップ環境として以前に愛用していたのは、OpenBox + Xfceパネルという変則環境だ。XubuntuとしてUbuntuの軽量版が出ていることからわかるように、Xfce4は、たしかに元のUbuntuのデスクトップ環境であったGnomeや現在のUnityよりは軽量だ。だが、その軽量さというのは、実際にシステムモニタで調べてみると、それほど大きなものではない。むしろ、Xfce4は、現在ではUnityのような野心的なUIを好まない人向けのデスクトップ環境と考えたほうがいい。実際、軽量版Ubuntuとしては、Lubuntuが公式にリリースされるようになっていて、そちらのほうが明らかに軽い。そして、Lubuntuのベースになっているデスクトップ環境LXDEは、Openboxというウィンドウマネージャが土台になっている。そして、このOpenboxはやたらと軽い。だから私は、Openbox + Xfceパネルという組み合わせを選んでいた。

これは明らかに変則的だ。そこまでやらなくても、LXDEを使えば十分じゃないかとも思う。実際、LXDEを使ってみたこともあった。けれど、LXDEのLXパネルはカスタマイズ性が限られていて、機能的に満足できなかった。加えて、PCManファイルマネージャも、機能不足に感じられた。機能が不足する場合には、Xfce4のファイルマネージャであるThunarを起動するしかない。それなら最初から、この部分はXfce4仕様にしておいたほうがいいということで、変則デスクトップ環境で使うようになった。

今回の低スペックマシンでも、同じような変則デスクトップ環境を構築しようかと考えた。けれど、以前にその環境を愛用していたころからもう2年近くたつ。その間にLXDEも進化したかもしれないと思って、素直にLXDEを使ってみた。基本的には、以前と変わらない。基本は変わらないけれど、小さな進化が積み重なって、非常に使い勝手が上がっている。これなら、変則的な環境をわざわざ構築する必要はない。このまま使っても、なんの不足もない。Unity以前の標準のUbuntuとほとんど変わらない使い勝手が達成されているといってもいい。

以前のLXDEを完全に把握していないので、どこがどう進化したのかを正確に言うことはできない。感覚的には、パネルのカスタマイズできる項目が増え、ファイルマネージャのネットワーク機能が改善されているように思うが、どうなのだろうか。相変わらず上手くいかないのはタッチパッドの設定だが、これは以前使ったことがあるGSynapticsの後継版であるgpointing-device-settingsというユーティリティがあったので、それを使うことにした。クリップボードマネージャは、Clipitがインストールするとそのままパネルの通知領域に表示されるようになるので便利だ。

この現場は1ヶ月ぐらいしかいない予定だが、その間はこれでしのぐことにしよう。
posted by 松本 at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月03日

UbuntuでOffice 2010を使うときの注意点(備忘)

先程「Wineは進化していた - UbutnuでWord、Excel 2010」という記事でWine上でOffice 2010を使う話を書いたが、いくつか備忘のためにメモをしておく。

まず、試用版をダウンロードしてインストールしたのだけれど、これはWindows Liveのアカウントが必須になる。以前にアカウントはとっていたのだけれど、どのメールアドレスで登録していたか思い出せないし、面倒なので新規登録。その上でダウンロードするのだが、通常のダウンロードボタンを押すとダウンローダーがダウンロードされる。これは軽量だが、Wineではうまく動作しない。そこで、「64bit版のダウンロード」というリンクを押すと、こちらに「32bit」のダウンロードボタンがある。これをクリックすると、フルサイズのインストーラーがダウンロードされるので、これを使う。

インストールは、古い.Wineの上にインストールしようとしたらエラーになってしまった。そこで古いプロフィールを削除(リネーム)して、Wineのプロフィールを作り直す格好で新規インストール。インストールはすべてデフォルトで進めたらうまくいった。ひょっとしたらこれはWineとともにインストールされているWineTrickを使ったほうがうまくいったのかもしれない。このあたりは次回の検討項目だ。

試用版なので、起動後には購入ページへの誘導がかかるが、これはescキーで消すことができる。

重要なのは、WordもExcelも、終了してもプロセスそのものは残ってしまうこと。そして複数回起動すると、同じプロセスが複数起動してしまう。面倒でも、いちいちシステムモニタからプロセスを終了させてやる必要があるようだ。

とりあえずいま気づいたところはそんなところ。まだこのネタは今後もありそうだ。
posted by 松本 at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Wineは進化していた - UbutnuでWord、Excel 2010

Ubuntuを使っていて「便利だなあ」と思うことはあっても、不便を感じることはほとんどない。便利だと思うのはなんといってもオープンソースのアプリケーションを使い放題ということで、これは単純に無料だというだけでなく、統合されたパッケージ管理システムのおかげで欲しいアプリを見つけるのも、それをインストールするのも、なんの手間もいらないということが大きい。これがWindowsだと、ネットを検索して適当なフリーソフトを見つけて導入することになるのだけれど、それが本当に使えるのか、怪しげなものでないのかなど、だれも保証してくれない。もちろんすべてが自己責任のLinuxの世界でもだれも保証してくれるわけではないのだけれど、公式リポジトリに入っているものはそれなりに信用できる前提で進めてかまわないと思う。仮にそれがうまくいかなくても、アンインストールはいつでも可能だ。それがUbuntuのパッケージ管理システムの楽なところだ。

と、「便利なところ」にやたらと力がはいってしまったが、「不便なところ」がまったくないわけではない。そのひとつがWindowsとの互換性だ。もともとWindowsが存在しなければこんな互換性に悩むこともないわけだけれど、Windowsの普及がなければ現在の姿のパソコンもないわけで(もちろんその前にMacだとか、さらに先駆的なものもあるわけで、つまりは歴史を塗り替えることなどできないということであって)、世の中の大半を占めるWindowsパソコンとのデータのやり取りで不自由するようではやっぱり困る。

この問題は、私がUbuntuを使いはじめた頃には非常に大きかった。現在ではそれほど困ることがないのは、いくつかの要因がある。まずひとつは、何でもかんでもインターネットの時代になって、相対的にマイクロソフト独自仕様のフォーマットへの依存度が下がったこと。Webアプリではそもそもローカルに保存するファイル形式で悩む必要はない。問題の核心がブラウザの互換性に移り、OSの互換性はあまり重要でなくなった。要はFirefoxの最新版が動けばそれでいいわけだ。

もうひとつの要因は、Macの復活、そしてiOSやAndroidを搭載したモバイルデバイスの急速な普及だ。「世の中Windowsだけじゃないよ」というのが、常識的に受け入れられるようになってきた。「ウチのパソコンでは見れないんですよ」といっても、「ああMacですか」で通じてしまうようになった。これはMacのシェアがどん底にまで落ち込んでいた2000年代前半には想像もできなかったことだ。

そして、OpenOffice、後にLibreOfficeの開発陣のMS Office互換性に対する執念みたいなのも、忘れてはならない要因だ。OpenOfficeが出回り始めた2000年代前半には、MS Officeの.docファイルや.xlsファイルが読めるといっても、それは中身のテキストが判読できる程度のことでしかなかった。レイアウトの崩れはふつうで、ときにはテキストさえまったく隠されてしまって読めないことさえあった。もっとも当時のMS Officeも相当ひどいもので、編集を繰り返しているうちに原因不明にファイルサイズが増大していく(そしてそれに伴って壊れやすくなる)なんて傾向まであった。それはともかくも、OpenOffice(Libre Office)のMS Office互換性はバージョンアップごとに進化して、いまではレイアウトの崩れも単純にデフォルト値のちがい程度の、原因がほぼ特定できるケースがほとんどとなった。Windowsとの互換性で最も頻発するのがOfficeソフトのファイルのやり取りなので、これはありがたい。

それでも、MS OfficeのファイルをUbuntuで、LibreOfficeを経由せずに読みたいときはある。いくら互換性が高まったとはいえ、LibreOfficeでMS Officeのファイルを開くのは基本的にインポートなのだから、「ひょっとしたらWindows上では違って見えるのではないか」という疑念が常にまとわりつく。そして、それだけを確認するためにいちいちWindows環境を立ち上げるのも面倒だ。

ここで役立つのはWineだ。そして、Wineさえあれば、マイクロソフト純正のソフト、Word Viewer、Excel Viewer、PowerPoint Viewerの3つのビューワをUbuntu上で動作させることができる。PPTに関してはUbuntuのリポジトリにも収録されている。これらは純正のソフトだから、フォント環境さえWindows環境に合わせておけば、ほぼWindowsで見るのと同じレイアウトがUbuntu上で再現される。ということで、ずいぶん前からこの3つのビューワにはお世話になってきた。

ただし、これらも完全ではない。というのは、これらのビューワは基本的にOffice 2003ベースであって、その後のOffice 2007や2010のファイルは苦手とする。もちろん、Office 2003で2007や2010のファイルが読めるのと同じようにコンバータを介してたいていは問題なく読めるのだけれど、特にPowerPointの読み取り、さらにExcelのxlsx形式のものの一部で再現性が低下したり、読み込めなかったりするケースがある。これはあまり嬉しくない問題だ。

だったらOffice 2007や2010をUbuntuにインストールすればいいのだけれど、以前これはうまくいかなかった。曖昧な記憶だけれど、インストーラーが途中で落ちてしまったのではないかと思う。それを回避する方法もどこかに書いてあったけれど、難しそうだった。

ところが、今日、ふと思い立ってOffice 2010(とりあえずは試用版)をインストールしてみたら、うまくインストールができる。そしてちゃんと起動する。

まだあまり使っていないが、いちばん良さそうなのはExcelで、Wordはファイルを開く際になにかバグがあるようだ。PowerPointは残念ながら起動しない。なにか工夫が必要なのかもしれない。

基本的にはビューワとして使えればそれでいいので、このまま試用版を使ってもいいと思う。試用版は期限が切れたら、ビューワとして使えるとMSの公式サイトに書いてあるからだ。あるいは、「Windows のバージョンに関わらず、1 台のパソコン(メイン PC)と、持ち運び用のパソコン(携帯用デバイス)の 2 台にインストールできます。」と公式サイトに書いてあるので、Ubuntuを「持ち運び用のPC」と解釈して(ハードウェア的にもモバイルだし)、他のライセンスのものをインストールしてみてもいいかもしれない。このあたりはまだ迷っているところだ。

いろいろと機能的な不具合もありそうなのでUbuntuでMS Officeをバリバリ使うというのは考えられないが、互換性チェックにはこれで十分かもしれないと思った。
posted by 松本 at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日

Kdenlive(動画編集)はかなり安定してきた

動画を編集する趣味は特にないので動画編集系のソフトはめったに使わないのだけれど、たとえばファミリービデオであったり、あるいは以前には仕事先で簡単なYouTube用の動画をまとめるよう頼まれたこともあったりして、必要に応じて少しは動画編集もする。Ubuntuには以前PiTiViという動画編集ソフトがデフォルトで入っていて、これがたいした機能はないのだけれど使いやすくて重宝した。PiTiVi以前にはkdenliveという動画編集ソフトの評判がよく、それを使っていたこともあった。ただ、このkdenlive、しょっちゅう落ちる癖があった。突然落ちるのはあたりまえと思ってデータをこまめに保存しながら使う必要がある。アプリケーションそのものにも落ちたときの復旧機能がついているぐらいだから、落ちてしまうのは仕様だと思ったほうがいいのかもしれない。

先日、あるイベントで妻がビデオを撮ってきたが、これをYouTubeにビデオカメラの機能をつかってアップするとどうにも画質が落ちるとこぼす。それなら一旦パソコンに取り込んでパソコン経由でアップすればとその動画を私のUbuntuマシンに取り込んでみたが、取り込んでみると編集をしたくなる。そこでPiTiViを立ち上げることにした。少し前まではデフォルトでインストールされていたと思うのだけれど、12.04では見当たらないので、改めてパッケージマネージャからインストール。そして起動。

PiTiViそのものは、ずいぶんと進化している。急速に充実しつつあるプロジェクトのようだ。以前にはエフェクトが貧弱でこれに関してはkdenliveにかなわなかったのに、今回見たらずいぶんと充実している。これで十分と思って使いはじめたのだけれど、なぜだかレンダリングがうまく通らない。たぶん設定がわかっていなかっただけだと思うけれど、深く追求するのも面倒なので、kdenliveを試すことにする。こちらもリポジトリにあるので、難なくインストール。

このkdenlive、確か11.10のときには動作がうまくいかず、どこかから追加のリポジトリを拾ってきて補ってやった記憶がある。ところが今回はそういうことをしなくても順調に動いてくれた。それだけでなく、動作が安定して、以前のようにちょっと触るとすぐ落ちるという感じではない。エフェクトをかけようとしたときに何度か落ちたけれど、それは特定のエフェクトの場合だけ起こるようで、基本的な使い方で落ちることはなかった。

こうなってくると、一時はPitTiViに傾きかけていた私の気持ちも「やっぱりkdenliveかな」となるから現金なものだ。動画に関しては、単純に前後の余分なところを切るだけでよかったのだけれど、ついでなのでトリミングを変更し、フェードインとフェードアウトを加えてある。わざわざ特記するほどの大層なことはなにもしていないけれど、まずは一例報告まで。ちなみに動画はこちら。

あくび指南

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2012年05月25日

InkscapeのバグがPreciseで解消していた

もう1年以上前になるが、InkscapeのMaveric上のバグという記事でInkscapeのコピー&ペースト時にエラーメッセージが出て処置に困るという話を書いた。このバグはNattyでもOneiricでも解消せず、「これは当分ダメなのかなあ」と、かなり諦め気味だった。コピーするのはたいていそれをどこかにペーストして複製するのが目的だから、「Ctrl+CでコピーするのではなくCtrl+Dで複製すればバグは回避できますよ」みたいなコツをどこかで聞いてきて、それでどうにかしのいだりもしていた。

ところが12.04をインストールしてから何気なくInkscapeを使っていて、このバグが出なくなっているのに気がついた。単純なこととはいえ、コピーは手に染み付いた癖のようなものだから、これでいちいちエラーが出ていたのではやりにくくて仕方ない。これはずいぶんと助かった。
posted by 松本 at 08:41| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月18日

IP電話クライアントのQuteComをインストールしてみた

去年の10月から、日本通信のAndroid携帯IDEOSを使っている。このネタは書き始めると長くなるので別の機会にまとめたいと思っているのだけれど、最安でスマホを持ちたいと考えた結果、まあ実績もあるしとこの選択をしたわけだ。ちなみに、少し前までは圧倒的最安だったイオンSIMの最安プランで使っているので、通信料は月額980円だ。このプランは音声通信不可なのだけれど、無線LAN環境下では別に縛りがあるわけではないから、電話の方は日本通信のモバイルIPフォンを申し込んで、合計月額約1500円と、スマホにしてはかなり安い価格で運用できているのはありがたい。中古で買った本体価格を1年で月割に換算するとしても、月額2500円程度だから、iPhoneの半額程度で持てていることにはなる。

けれど、まあこの組み合わせは安かろう悪かろうの典型のようなもので、通信速度が遅いところに持ってきて処理速度が遅いので、とてもとてもiPhoneや最新Android携帯の比較になるものではない。それでもそれなりに面白いし最低限の役には立つ。

とはいえ、電話機としてはどうしようもないくらいに反応が遅いので、どうにかならないかと思って、いろいろ試してみた。たとえばSkypeの音声通話やViberなんかも試してみたが、いずれも特にモバイルIPフォンには及ばない。それにこれらのアプリでは一般回線にかけられないのだから、やっぱりモバイルIPフォンの価値はあるわけだ。これを我慢して使うのがベストだろう。

そうは思っていたのだけれど、こんな記事を見ると、興味をもってしまう。

基本料無料のスマホ向け050IP電話、フュージョンがベータ版提供

ひょっとしたら、モバイルIPフォンよりもいいかもしれない。仮に品質が変わらないとしたら、こっちのほうが基本料金がないだけオトクだ。そこでさっそく申し込んでみた。テスト用の無料通話が付いているというから、ダメでもともと。ということで、こちらから申し込んだ。

無料分がついているとはいえ本来は有料サービスなので、クレジットカード情報の入力など、割と気になる手間もかかるが、ともかくも手続きを済ませるとすぐにログインできるようになる。マイページの「ユーザーアカウント情報表示」に「SIPアカウント情報」があるが、ここに記載されたドメイン、 SIPアカウント、SIPアカウントパスワードの3つがIP電話の設定をするために必要なすべての情報。

次に、Androidへのアプリのインストール。公式アプリはないが、動作確認ができているのがAGEphoneChiffonの2つと書いてある。このうち最初のものをインストールしてみたが、音声がわるくて「これはちょっと使えないなあ」という感じ。そこで後者をインストールしようとしたが、これはIDEOSが対応していなかった。

ここで断念しようかとも思ったのだけれど、せっかくだからほかのIP電話クライアントを試してみることにした。CSipSimpleというアプリが検索で出てきて割とよさそうなので、これをインストール。設定項目はAGEphoneと同じなのですぐに設定ができ、無線LAN環境下で電話をしてみたら、今度はきちんと通話ができた。ただし、これはクライアントが優れていたのか、それともたまたま最初に使ったときに回線が混雑していたせいなのか、そのあたりはよくわからない。

ということで確かにIP電話として使うことは可能なのだけれど、今度は(非推奨の)イオンSIMで通話してみたら、完全にアウト。相手側の電話でこちらの音声は聞こえるらしいのだけれど、IDEOS側で相手の音声がほとんど聞き取れない。さすがに非推奨環境なので、これはある意味当然だろう。ただ、日本通信のモバイルIPフォンの方は非推奨といいながらイオンSIMでもどうにか音声が聞き取れないことはないので、この時点で日本通信の勝ち。まあ、さすがに専用サービスとして提供しているだけはある。

結論としてはこの「FUSION IP-Phone SMART」は使わないだろう、ということで一件落着なのだけれど、せっかくIP電話の無料お試し分があるので、それならパソコンから電話をかけられないかと思った。SIPのIP電話クライアントならたぶんリポジトリにあるはずと見当をつけてSynapticパッケージマネージャーで検索すると、まずlinphoneというのが引っかかった。これをインストールしてみるが、設定方法がわからずに断念。次にQuteComというのがあったのでこちらを試す。こっちはAndroidのアプリとよく似た設定ダイアログが出たので、難なく設定完了。そして電話をかけてみると、あっさりつながった。

ユーザーインターフェースはSkyoeと似ている。結局似たような技術なのだろう。使って使えないことはないかもしれない。けれど、通話の品質はよくない。今度は、パソコン側では割と相手の音声はきっちり聞けるけれど、相手側では音声がよく聞き取れないらしい。これはマイクやスピーカーの設定のせいなのかもしれないが、ともかくも、無理にIP電話を使う必要もないので、まずは「やってみた」で終わっておくことにした。

この電話番号、解約してもいいけれど、置いておいたら何かに使えるだろうかという気もしている。そうこうするうちに、佐川急便でご大層な書類も届いた。さて、どうするかなあ。
posted by 松本 at 17:12| Comment(2) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月23日

小規模事業用の見積・納品・請求書類発行システム

はじめに
前回のエントリUbuntuで販売伝票作成管理で書いたように、この3月、私の営む翻訳事務所で使うための見積・納品・請求の3点の書類を発行するためのファイルを作成した。これは、フリー(オープンソース)のOffice統合ソフトであるOpenOffice(LibreOffice)の表計算ソフトCalc上で動作するマクロと表のテンプレートである。私の事業のためにカスタマイズしているので汎用にはならないと思うが、私の事業と似たような特徴をもっている事業、つまり、
  • 年間の売上がそれほど多くない(概ね1000万円以下)
  • 平均受注金額がある程度高い(概ね数万円程度以上)
  • 受注に応じて仕入れを立てる(在庫販売ではない)
  • 1明細について仕入先が1件に決まる(複数の仕入れを加工して商品にするのではない)
  • 見積の受注率が比較的高い(数割以上)
といった事業なら、ある程度使えるのではないだろうか。
上記の売上と受注金額については、つまりは年間数百件以上のデータを扱わないほうがいいだろうということである。スプレッドシートの特徴として数万件ものデータを扱うと処理速度が大幅に低下することが予想される(今回のシートで確認したわけではないが、たぶんそうなると思う)。通常、データは数年分は保管したいので、最大二千件程度までのデータを格納するとしたら年間数百件程度が妥当な処理範囲だろうというわけだ。だから、単価の高い仕事を扱うのであれば売上の高い事業でも使えるし、逆に単価が低ければ売上の制限はもっと厳しくなる。複数の原料を仕入れてひとつの商品を組み上げるタイプの業態に向かないのは、1明細につき一つの仕入先を想定しているからだ。翻訳エージェントの場合、この仕入先はつまりその文書を担当する翻訳者ということになる。また、このシステムは見積書で入力したデータを納品書、請求書と使いまわしていくようになっているため、見積書不要の業態や受注の如何にかかわらず大量の見積書を発行する業態には向いていない。見積→受注→納品→請求→売上集計と流れていく事務処理をスムーズに行うためのものである。

ダウンロードとライセンス
ダウンロードはこちらのサイトにある、invoices.odsという名称のファイルをローカルに置いて使う。

あるいは、こちらをクリックするとダウンロードに導かれる。

単なるテンプレートなので特に使用許諾等に堅苦しいことをいうつもりはないが、マクロのほとんどは複数のサイトに掲載されたサンプルコードからの改変なので、それらサイトの作者に対する敬意を払ってほしい(参考にしたサイトは別記事に記載の予定)。それらサンプルコードに関して特に著作権上の制約は設けられていなかったようであるが、私の権利範囲に関してはその精神を尊重してGPL準拠としたい。

要件
開発はUbuntu上のLibreOfficeで行なっており、それ以外の環境での詳しい動作確認は行っていない。ただし、このLibreOfficeはUbuntuのリポジトリに含まれているものではなく、本家サイトからダウンロードしてインストールしたものを使っている。Ubuntu12.04のリポジトリにあるLibreOfficeではエラーが発生して動作しないことを確認している。一方、Windows上のOpenOfficeでは、少なくとも一定の環境では動作するようである。この場合、フォントの設定が反映されないので、別途Takaoフォントを導入する必要があるだろう。

初期設定
ダウンロードしたファイルをOpenOffice(もしくはLibreOffice)から開いたら、使用前に初期設定を行う必要がある。初期設定は2種類ある。その他、OpenOfficeの設定を変更する必要があるかもしれない。
OpenOffice(LibreOffice)は、初期設定でマクロが無効になっている。本ファイルはマクロを使用するので、まずOpenOffice(LibreOffice)を起動して、オプションのセキュリティ→マクロのセキュリティの「信頼されたファイル位置」に本ファイルを設置した場所へのパスを追加しておく。
そのうえで本ファイルを起動し、まず第一の設定を行う。これは、出力ファイルのパスの変更で、ツール→マクロ→マクロの管理→LibreOffice Basicと進んでinvoices.odsのStandardに含まれるモジュールquote、statement、invoiceの3つの中のExport_to_PDFという名前のついたサブルーチンに含まれる出力パスを書き換える。デフォルトで"file:///home/user/Document/"が指定されているので、これを適切なパスに書き換える。ファイルの保存先に指定したいフォルダを開いてそこにあるファイルをコピーし、テキストエディタに貼りつければ、そのフォルダまでのパスが容易に得られるだろう。見積・納品・請求の各書類を紙ベースで扱い、PDFが不要である場合には、この処理は必要がない。その代わり、PDF出力ボタンを印刷ボタンに置き換える必要があるだろう。
初期設定の第二は、トップページ(トップページが表示されていないときは下端のタブから「Top」をクリックする)に表示されている「初回使用時に設定をする」ボタンをクリックして行う。ここでは使用者の事業所名や所在地、振込先情報などの入力を求められるので、ダイアログに従って入力する。
さらに、必要に応じて、仕入先データベースを記入しておく。これは、トップページの「仕入先データベースを編集する」をクリックして適宜データを入力する。仕入先の住所その他は必須ではない。
以上で初期設定は終了であるが、データベースには2件のダミーデータが入っているので、必要に応じてこれらを削除する。この削除は、トップページにある「データベースを直接編集する」ボタンをクリックして行う。
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Ubuntuで販売伝票作成管理

Linuxには、経理関係のソフトが大きく欠けている。英語環境ならいくらかあるようだけれど、日本語環境だとぐっと少なくなる。それでも、妻が愛用しているExcel BというソフトはOpenOffice上でも稼働するテンプレートなので、Ubuntu 上でも動作する。これは小規模事業所の経理に強い味方だろう。この辺りの詳細は、こちらの記事に書いた。

ただ、ビジネスまわりのソフトが少ないのは無理もないのかなあと最近気がついた。というのは、多くの事業がそれぞれなりにユニークなので、実は汎用のパッケージソフトというのは案外と使いにくい。それでも法律上の要件がかっちりしている企業会計なんかはパッケージソフトが非常に役立つわけだけれど、商品管理や原価管理、伝票類の作成に関しては、それぞれの事業のそれぞれの特性に合わせてカスタマイズしなければならない部分が多くなる。となると、パッケージソフトよりも「エクセルで作っといてよ」という世界になりがちで、使えるソフトが少ないのはなにもLinuxの世界だけではないのかもしれない。

実際、世の中に見積書や請求書のエクセルテンプレートはあふれかえっているが、実用的なものは案外少ない。ひとつの理由はそれが必ずしも自分のニーズにぴったりあった書式ではないからだ。明細の書き方や単価の書き方など、それぞれの事業にはそれぞれの癖がある。汎用のものがうまくあてはまるとは限らない。

もうひとつの理由は、たいていのテンプレートがデータ間のリレーションを想定していないことだ。見積書に単価と数量を記入すると確かに請求金額や消費税を自動で計算してくれる。けれど、その数値は納品書や請求書には反映されない。まして、請求書の数値を積算して月間の売上を計算してくれるようなことはしない。それはスプレッドシートの役割ではなく、データベースの役割だからだ。そして、データベース型のアプリケーションは基本的には事業ごとに開発すべきものであって、テンプレートが転がっているようなものではない。

それはそうなのだけれど、データベースを利用した伝票処理システムの開発はたいへんだ。だから、私のところのような小規模な個人事業ではおいそれと手を出せるものではない。ということで、開業から5年ばかりは、エクセル上の手作業でこれら伝票発行の管理を行っていた。ただし、派遣でいろんな事業所での経験が豊富な妻が巧妙な運用形態を考案してくれていたので、プロジェクトの管理を専用のシートで行って納品書・請求書はそこからデータをコピー&ペーストして作成する方式になっていた。この方法だと明細や単価をいちいち個別に入力する必要がないので、誤りも発生せず、手間もそれほどかからない。そして売上の管理は元台帳の集計で確実に行える。小さな事業にはこんな方式が確かに似合っているのかもしれない。

けれど、本来こういった処理はデータベース的に行うべきだというのは明らかだ。本格的な開発でなくとも、たとえばアクセスやファイルメーカーのような簡単なパッケージソフトを導入して素人が構築するレベルでも、相当に使いやすいものができる。それはまだWindowsが3.1だった頃にAccessを使った経験や、その後、Macのバンドルで付いてきたFileMakerで会社の経理を組んだ経験から確実にいえることだった。だから、機会があれば少なくとも見積・納品・請求の3点の書類に関しては一括して管理できるデータベースを組みたいとずっと考えてきた。たまたま去年は受注があまりとれず、その分だけ仕事が暇だったので(笑い事ではないが)、このあたりのデータベース化にとりくんだ。このときの覚書は、過去記事の「LibreOfficeのBaseで販売管理」にメモしてある。

それから1年近くこのデータベースを使ってきたのだけれど、いろいろと不便なところが目立つようになってきた。たまたま今年のはじめにデータベースをいじる機会があって、その際にSQL文の基礎なんかも少しはわかるようになって、どこを改訂すればいいのかようやく見当がつくようになった。そこで3月になってから大規模な改訂をやったのだけれど、だんだん形ができてくると同時に、OpenOffice(LibreOffice)のBaseそのものに内在する欠点が障害になり始めた。続きを読む
posted by 松本 at 14:45| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月22日

Ubuntuにインストール済みのフォントの一覧を取得

「お使いのフォントに合わせたいので、環境にインストールされているフォントを教えてください」というようなことを言われた。これがけっこう面倒臭い。まさかいちいち書き出すわけにもいかない。オボロな記憶だと、MacのDTP環境なら三種の神器のいずれかのアプリケーションで「フォント一覧の取得」みたいなダイアログがあった気がする。Ubuntuだとどうやっていいのか、ちょっと戸惑った。

原始的にやってのけるとしたら、フォントフォルダ内のファイル名を複数選択してテキストエディタで編集すればいいような気もする。ただ、フォント名とフォントファイル名は同じではないので、この方法はあまりよくないかもしれない。

順当にいくなら、そのためのコマンドか、ユーティリティを使うべきだろう。探そうと思ったら、こちらのブログにお手軽なWebアプリが紹介されていた。

AULTA FONTS VIEWER

使ってみると、一発でフォントの一覧が取得できた。ただ、難点は、順番がてんでバラバラに表示されること。手当り次第に取得するのだろうか。あるいはなにか順番があるけれど、それがわからないだけかもしれない。これでは不便なので、表計算ソフトで文字の昇順に整形。そこまで含めてもごくかんたんにできた。

探せばたぶん、ローカルで実行できるコマンドやアプリもあるのだろうけれど、とりあえずこれで十分かなという気がした。世の中、なべてWebアプリ全盛だ。
posted by 松本 at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月07日

LibreOffice(OpenOffice)のDrawで簡易DTP

LinuxでレイアウトソフトといえばScribusにトドメをさすのだけれど、あいにくなことにScribusは日本語対応が完全ではない。それでも以前に比べたらだいぶとマシになってきていて、カーニングに目をつぶり、禁則処理を手動でするという面倒なことさえがまんすれば、ルビをふらない横書き日本語文書ならレイアウトできるようになっている。

けれど、日本語DTPでは縦書き文書だって出てくる。ということで本格的な日本語DTPはLinuxではうまくいかない。それでも、簡易な間に合わせなら、OpenOffice、あるいはほぼ同等のLibreOfficeでレイアウトから出力までごまかすことができる。要はPDFを出せばいいわけだ。そしてOpenOfficeは一応は日本語対応が整っている。細かいことをいうならルビの設定が使えないのだけれど、それ以外は縦書き文書でもなんとかなるし、まあひと通りのことはできる。ただし、あくまで簡易DTPであるのは、たとえばトンボの出力とか版面外への画像配置とかCMYKの処理とか、印刷に必要な機能がないからだ。どうしてもそこまでやりたければ画像的に無理にできなくもないだろうが、そこまで無理するならInkscapeで1ページずつつくるほうがマシかもしれない。

ともかくも、これまで私は何冊もの本をOpenOfficeでレイアウトしてきた。冊子づくりが私の主なDTPの目的なので、そういうことになる。ちなみにペラものだったらInkscapeの方がいいとは思う。文字が延々と続く冊子ものの場合、OpenOffice、最近のUbuntuならLibreOfficeのWriterでレイアウトするのが最も簡単だ。

ところがあちこち見ていると、同じOpenOffice(LibreOffice)でもDrawをレイアウトソフトとして勧めている記事に出くわすことがある。そこで以前もちょっと試してみたのだけれど、テキストボックスの連結ができないので使いものにならなかった。文字屋である私にとって、テキストを複数ページに一気に流し込めないようでは実用的ではない。

ところが今回、図版を主体にしてその間に縦書きテキストが混在する冊子をつくることになった。最初はInkscapeで1ページずつつくってPDFを合体させようかと思ったが、それはそれで面倒だ。60ページのPDFを1つずつつくる手間は、ちょっと想像するだけで気が遠くなる。そこで、久々にDrawを試してみようと思った。

やってみると、これがうまくいく。Writerだと読み込んだグラフィックの配置がかなり面倒なのだけれど、Drawだとかなり融通がきく。それだけでもWriterより使いでがある。ヘッダ・フッタが入れられないのだけれど、私がこれを使うのはノンブルとハシラだけのことで、これらはテキストボックスとして配置して各ページに複製することで難なく処理できる。ノンブルに関してはページ番号の自動入力を挿入することは普通のテキストボックスでも可能なので、それを使えばOK。

ただ、グラフィックが重いので、10ページずつぐらいの文書に分ける必要があった。処理能力の高いマシンなら、その必要もないだろう。最終的に各パーツをPDFで出力しておいて、PDF Shufflerで合わせて完了。

縦書きで開きが違うので、さらに最後のPDFからページ逆順で印刷用のPDFを出力しておく必要があった。これは60, 59, 58, ..., 2, 1という数列を印刷ダイアログの「ファイルに出力」に入力してOK。この逆向き数列は、同じLibreOfficeのCalcで一瞬でつくれる。

Drawはダメだと思っていたけど、適材適所、用途によってはずいぶん使い勝手があると再認識した。
posted by 松本 at 06:33| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月05日

BitNamiでのローカルホスト環境の再起動

昨日、BitNamiでModxをインストールしていろいろと試し始めたのだけれど、パソコンを再起動したらローカルホストに接続できなくなった。これはMySQLとApacheが稼動していないかららしい。BitNamiのサイトには起動スクリプトでこれを解決する方法が書いてあるが、いつもいつもBitNami - Modxで作業するわけではない。その都度利用するほうが都合がいい。そこで、適当に見ていたら、インストールしたディレクトリにmanager-linux.run
という実行ファイルがあるのに気がついた。これを右クリックから実行すると、MySQLとApacheが停止していると示される。ここからGUIで起動できるので、この2つを起動すると、無事にローカルホスト環境に接続ができた。

ちょっとしたことでも、わからないと困るものだと思った。
posted by 松本 at 15:38| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月04日

BitNamiで手軽にModxインストール

昨日、BitNamiでWordPressがローカル環境で動いたという記事を書いたが、WordPressだと機能的にどうも不足することがわかってきた。これまできちんと使ったことのあるCMSはWordPressだけなのでとりあえずそれをインストールしてみたのだが、やっぱりこれはブログメインのエンジンだ。もうちょっと本格的なCMSが必要なようだ。

同じBitNamiにはいろいろなCMSがある。Alfresco、Drupal、eZ Publishなんてのが使えそうなので試してみるが、本格的なものほど簡単ではなさそうだ。

サイト構築の管理までやったことはないけれど、コンテンツ管理者としてはModxなら使ったことがある。Modxはどうかと思ってみたが、BitNamiにはModxのスタックは用意されていない。けれど、いったんBitNamiでローカル環境を整備すれば、ほかのCMSも割とかんたんにインストールできる。以下の私のやった方法は、どう考えても邪道だけれど、邪道なりに何も悩まずに進めることができるので、備忘を兼ねて書いておく。

まず、BitNamiでWordPressのスタックがインストールされているところからスタートする。ここで、http://127.0.0.1:8080/wordpress/を打ち込めばWordPressで作成したブログのトップページが開くことは昨日書いた。ちなみに127.0.0.1はBitNamiが設定したローカルホストのアドレスで、8080はデフォルトのポート番号ということらしい。このあたりはカスタマイズできる(というよりもカスタマイズしておいたほうがいい)のだろう。何もわからずにやったので、ここはいい加減になってしまった。今回は練習なので、本番でやるときにはもうちょっとよく考えようと思う。

さて、このトップページはどこにあるのか? WordPressをインストールするとき、デフォルトでユーザーフォルダ直下にwordpress-3.2.1-4というフォルダが生成される(もちろんこれもカスタマイズ可能)。この中にローカルホスト環境に必要なデータ一式が詰まっているのだけれど、では、いわゆるホームページはどこにあるのかというと、~/wordpress-3.2.1-4/apps/wordpress/htdocs/index.phpにある。つまり、~/apps/wordpress/htdocs/が、ウェブサイトのルートにあたるわけだ。

これだけわかれば、CMSを追加インストールするのは簡単だとわかるだろう。

Modxの場合、普通は、ダウンロードした圧縮ファイルを解凍し、一括してサーバーのパブリックな場所にアップロードする。そしてそのディレクトリにブラウザでアクセスすれば、インストール画面が現れる。ということなら、この~/apps/wordpress/htdocs/に解凍ファイルの一式を置けばいい。今回は既にWordPressのファイル一式が存在するから、~/apps/wordpress/htdocs/modxというフォルダをつくって、そこに解凍する。そして、ブラウザからhttp://127.0.0.1:8080/wordpress/modx/setup/を開くと、インストール画面が出る。あとは指示に従えばいい。

最初は本家版を使ってみたが、日本語化で悩むより鳩、日本語化されたローカルバージョンをインストールした。こちらのもの。
http://modx.jp/

インストール時にひとつ躓くのが、MySQLの設定だろう(いや、わかってる人は躓かないかな。私は躓いてしまった)。これは、まずMySQLの設定を予めしておかなければならない。そのためには、WordPressインストール時にいっしょにインストールしたphpmyadminを使う。これはhttp://127.0.0.1:8080/phpmyadmin/にブラウザでアクセスすればログイン画面になる。

ここでまず、私はユーザー名とパスワードがわからず苦労した。結局のところ、ユーザー名はroot、パスワードはWordPressインストール時に設定したパスワードと同じものになる。WordPressのユーザー名とは違うのにパスワードだけは同じということで、わからないままにけっこう時間を食ってしまった。phpmyadminにログインしたら、MySQLの設定ができるから、このデータベースタブで新規データベースを作成する、というところに新しいデータベース名を入れて作成しておく。

この下準備ができたら、Modxのインストールを進めることができる。「データベース接続とデータベースユーザーの指定」のところで、でターベースホストにローカルホスト名である127.0.0.1を入れ、ユーザー名はroot、パスワードはWordPressインストール時に設定したもの、データベース名に先ほどphpmyadminで作成したデータベース名を入れ、「→ ここをクリックしてMySQLサーバへの接続をテストしてください」というリンクをクリックすると、OKが出て、先に進める(わからなかった私は、ここで何度もエラーメッセージを出した)。その上で、「指定のデータベースが存在しない場合は新規作成を試みます。」をクリックして、データベースを自動作成。そして、管理者のユーザー名とパスワードの設定ダイアログが出るので適当に設定して「次へ」をクリックすると、確認画面が出てインストールに進むことができる。初回ログイン画面に進んで先程の管理者ユーザー名とパスワードを入力すると、利用が可能になる。

以上で、BitNamiで超簡単にローカル環境にModxをインストールすることができた。これは使えるかもしれない。ちょっといじってみよう。

posted by 松本 at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月03日

BitNamiでWordPressがローカル環境で動いた

ちょっと経緯があって、Webショップの開発・運用の端っこに関わることになった。といっても、システム側のことではなく、出店者側のサイト構築の話。既存のショップを改善し、同じ商品ラインナップを別のモールにも新規出店するという企画だ。

細かいことはまだまだ進行中でもあるしデリケートな部分もあるから省略するとして、サイト構築の手段としてCMSを利用したらどうかというアイデアが浮かんだ。ただ、モールの内部にCMSをインストールすることはできないようだ。もしも無理矢理に使うとしたら、CMSで構築したデータを吐き出して、それをFTPでアップロードという力技になるだろう。けれど、それでもCMSを利用する価値はありそうだ。

しかし、そうなるとローカルでCMSを動かさなければならない。なにか方法はないかとGoogleに聞いたら、BitNamiというアプリケーションがあることがわかった。

BitNami

ここで、インストールしたいCMSのスタックをダウンロードする。たとえば、WordPressの場合bitnami-wordpress-3.2.1-4-linux-installerというのがダウンロードされる。これを実行可能にプロパティを変え(Nautilusの右クリックから可能)、端末にファイルの場所を指定して実行するとインストーラーが走る。これでインストールが完了。完了後のダイアログで、WordPressの初期設定もやってくれるから非常にイージーだ。

その後、WordPressにはブラウザのアドレスバーにhttp://127.0.0.1:8080/wordpress/を打ち込んで開いてやる。これが最初わからずにちょっと戸惑った。あとは、普通にWordPressがローカルで動く。

これはすごいなと思った。
posted by 松本 at 10:23| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月03日

sk1とuniconverter

以前、Ubuntuのリポジトリにはベクター系のグラフィックソフトとして定番のInkscapeのほかにSkencilというのがあった。いつの間にか見なくなったなあと思っていたのだが、どうもプロジェクトがあまり進展していないらしい。その代わり、sk1というフォークがあって、むしろこちらのほうが活発らしい。AdobeのIllustratorの代替ソフトとしてかなりいいセンをいっているらしい。公式サイトに.debファイルが用意されていたので、インストールしてみた。こちら。

http://sk1project.org/modules.php?name=Products&product=sk1&op=download

ちょっといじってみた。以前はほとんどInkscapeと同じような印象しかなかったのだけれど、だいぶ別の方向に進化している。プラグインやフィルターが充実してきたInkscapeに比べてそのあたりはシンプルで愛想のない感じだけれど(プラグインはメニューではなくプラグインブラウザというので表示されているが、これがよくわからない)、強みはCMYKを扱えることだ。

InkscapeはほとんどIllustratorの代用になるのだけれど(というか、私はずっと代用として使ってきているけれど)、惜しいことにはCMYKにデフォルトで対応していない。先日、久しぶりにオンデマンド印刷を使う機会があってカラー原稿を入れたのだけれど、RGBデータだったから少しくすんでしまった。あまり品質にシビアな仕事ではなかったので問題ないといえば問題なかったのだけれど、やっぱりできることならCMYKに変換して入れられるようになっておきたい。ということで、InkscapeでCMYKに変換するプラグインを探していたら、ごく簡単に見つかった。それが、こちら。

http://wiki.inkscape.org/wiki/index.php/ExportPDFCMYK

ところが、これがうまく走らない。エラーメッセージで「処理ができませんでした」みたいに空振りをする。どうもuniconverterというプログラムがうまく走らないようで、それについて調べていたらsk1に行き当たったというわけだ。

実は、sk1は最初からプリプレスを意識したプロジェクトらしい。だからAdobeのIllustratorのファイル形式やCorel Drawのファイル形式を扱えるようなトランスレータを開発した。それがuniconverterというわけだ。

Illustratorは、最近のバージョンからこのuniconverterを組み込むようになっている。そして、どうやらその整合性がうまくとれていない。しばらく前のバージョから発生しているコピー時にエラーメッセージが出る問題は、このuniconverterの不備から発生しているらしい。

ということで、InkscapeのCMYKのプラグインを動かすと同時にコピー時のエラー解決ができないかと、uniconverterの最新バージョンをsk1のプロジェクトページからダウンロードしていれてみた。

http://sk1project.org/modules.php?name=Products&product=uniconvertor&op=download

けれど、効果なし。というか、エラーメッセージの種類が変わっただけで、コピー時のエラーメッセージは出るし、CMYKのプラグインもうまく走らない。やっぱりこのあたりは、正式にバグが解決しないと、私レベルではどうにもなりそうにない。ちなみに、このバグは既にLaunchpadに報告があがっているようだ。pythonの動作に関係する様子なので、コードが読める人ならもうちょっと何とかなりそうな雰囲気はあるのだけれど。

さてさて、話が長くなったけれど、その点、sk1はuniconverterもちゃんと動いているようだ。だったら、印刷絡みのデータは最初からsk1で扱えばいいのかもしれない。Inkscapeと特に大きく使い勝手がちがうのは、PDFを直接開くことができないこと。開けるのはsk1の形式だけで、PDFはインポートもできない。SVGやpsデータはインポートできるので、PDFを細工するために使うのであれば、svgかps形式に予めInkscape等で書きだしておく必要がありそうだ。ただし、やってみると、svgはあるていどうまくいくけれど、psはうまくいかない。このあたりははっきりいってよくわからない。

PDFへの書き出しは、exportでもPrint to PDFでもいけるようだ。Inkscapeほどメジャーではないけれど、ひょっとしたらこの先、Inkscape以上に使えるソフトになるのかもしれない。


posted by 松本 at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月20日

Winefileは存在すら知らなかった

ファイルマネージャは、ふつう、どんなパソコンにも存在するプログラムだ。けれど、そういうものが存在するということすら、Ubuntuを使い始めるまでは知らなかった。フォルダをダブルクリックしたらその中にあるファイルやフォルダを見ることができるというのは、パソコンそのものの機能、OSそのものの機能であって、それを司るプログラムがあるなんてことは考えもしなかった。実際、MacでもWindowsでも、これはOSの一部として提供されている。Ubuntuだってそうだけれど、ただ、UbuntuのようなLinuxの場合、その気になればデフォルト以外のファイルマネージャを使うこともできる。Ubuntuのデフォルトはnautilusだけれど、私はこれに関してはXfceのThunarを使っている。そういう変更ができることが使っているうちにわかるようになるのも、Linuxの面白さのひとつだと思う。

ということで、現在私はふだんはThunar、たまに必要があってNautilusを使うのだけれど、自分のシステムの中にそれ以外のファイルマネージャが入っているとは夢にも思わなかった。いや、以前にはもっと別のものをインストールしていたこともあるし、ブラウザの中にはファイルマネージャ的な機能を持ったものがあったりするので、「夢にも思わなかった」は言いすぎかもしれない。けれど、思いがけないところにひとつファイルマネージャが入っていた。それはWineだ。

Wineは、Windowsのエミュレータ的なソフトだけれど、仮想環境ではなくLinux環境下で動作する。だから、Wineを使うときに、特にWindows側のデスクトップ環境は必要がない。だからファイルマネージャもLinux側のものでOKだ。具体的には、たとえば.docファイルをword viewerで開いてやるなら、NautilusなりThunarなりのLinuxのファイルマネージャでそのファイルにたどり着いて、そこから右クリックでword viewerを指定してやればそれでOKだ。あるいはWineでインストールしたプログラムを開くのに、そのプログラムの実行ファイルまでNautilusでたどり着いて、ダブルクリックで実行することもできる。

だから、ファイルマネージャはLinux側のもので十分なのだけれど、WineにもちゃんとWinefileというファイルマネージャが最初からセットされているのだという。詳細はこちら。

http://wiki.jswindle.com/index.php/Winefile

何かの拍子にこれを見つけて、起動してみた。かなり古めかしい感じだけれど、確かにファイルマネージャがWineで動作している。例の.docファイルなどは、ここからWineアプリケーションで開くことができる。

ただ、これはあくまでWine側のアプリケーションなので、ここからLinux側のアプリを起動することはできない。だから、対応するWineアプリケーションのないファイルをダブルクリックしても何も起こらない。さらに、機能の多くが未実装ということで、実用的にはあんまり価値はなさそうだ。

それでも、こういうプログラムがあるということを知っておくのは悪いことではないと思う。特に、それが自分が気づかないままに自分のシステムにインストールされているのであれば。Wineを使っている方は、いちど起動して確かめて見られてはどうだろうか。
posted by 松本 at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月02日

Twitterクライアントの不調とGwibber

しばらく前からどうも常用しているTwitterクライアントのChoqokの調子がよくない。認証しているはずなのに「認証が必要です」みたいなメッセージが出る。強行すると普通に使えたりもするが、そのあとで突然落ちたりもする。いったん落ちると連続して落ちる。設定ファイルを捨ててうまくいく場合もあるけれど、使っているうちにまた同じようなことが起こる。

そこで、Choqokを諦めて別のクライアントを使ってみようと思った。試してみたのはQwitとGwibber。ちなみにGwibberは、デフォルトで入っている。Qwitはリポジトリに入っているのでSynapticパッケージマネージャでインストール。

Qwitは、以前は、たぶん私がTwitter初心者だったせいで、よくわからずに使えないと思った。今回ちょっと使ってみた感じでは、それほどわるくない。シンプルで、必要なものが必要なだけあるという感じ。これでいこうかなと思った。

ただ、Choqokで慣れてしまっているせいで、Choqokと違うところが気になる。具体的には、一覧性が低いことだ。Choqokだと、ポストの長さにもよるけれど、6〜8ポストぐらいは縦長の1画面で読める。未読のポストは一覧できたほうが嬉しいのだけれど、よっぽど賑わっているときでもない限り、1回の更新でこの程度に収まる。たまたまだけれど、これが使いいい。ところがQwitでは4〜6ポストぐらいでいっぱいになる。わずか1〜2程度のちがいだけれど、これが意外と気になる。

設定でなんとかならないかなと思ったけれど、UIの詳細は設定できない。何か方法がないかなと思って探していたら、QwitではなくGwibberにテーマが導入できることを見つけた。ならば、Gwibberでシンプルなテーマを導入すればうまくいくのではないかと思った。

Gwibberを使っていないのは、多機能なクライアントなのが仇になってUIが込み入っているように感じたからだ。上記の一覧性もよくない。けれど、こういったことはテーマで調整可能かもしれない。

Gwibberのテーマは、

/home/~/.local/share/gwibber/ui/themes/

というフォルダをつくっておいて、そこにインストールする。いくつかネットに上がっていたのをダウンロードしてそこに展開。Gwibberを起動すると、テーマが適用できるようになっている。Qwit風のテーマというのもあって、なるほどという感じ。

けれど、意外と検索でダウンロードできるテーマは多くない。もうちょっとシンプルなのがいいのだけれど、そういうのが見つからない。ならば、既存のテーマをもとに自分で調整するかと思った。幸い、テーマの設定はHTML(あるいはCSS?)に書かれているようだから、素人なりになんとか手を加えられそうだ。

けれど、少しやってみて袋小路にはまった。そのうちに、Twitterクライアントの不調はChoqokだけの問題ではなく、いろいろなクライアントで発生している問題だという噂を聞いた。どうもTwitter本体のAPIの仕様が変わったせいで発生していることらしい。となると、慣れないクライアントに移るよりは、バグの修正を待ったほうがよさそうだ。

ということで、探索は終了した。ここで深追いしないところが、いつまでたってもシロウトのUbuntu使いを抜けられない私なのだろうと思う。

posted by 松本 at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月21日

PDF-ShufflerでPDFの余白調整

PDFのページ順入れ替えにはWindows版もあるpdfsamでも十分なのだけれど、私はPDF-Shufflerを愛用している。どちらもリポジトリにあるので好みでしかないのだけれど、PDF-ShufflerのほうがサムネイルのあるGUIで直観的に操作できるから気に入っている。まあ、一長一短はあって、PDF-Shufflerのほうがサムネイル表示をする分だけやや時間がかかるし、操作画面も占有する。場合によってはそれが面倒に感じるかもしれない。

ともかくも、PDF-Shufflerは割と気に入って使っているのだけれど、シンプルで、機能は多くないように見える。ただ、先日使ったとき、サムネイルを右クリックすると90°の回転やページのクロッピングが指定できることに気がついた。シンプルなメニューになかったからそれまで気がつかなかったわけだ。これは、複数ページを選択しておいても使えるので、たとえば一括でページのタテヨコを変更することなんかもできる。そして、余白の調整も一気にできることになる。これは使えるかもしれない。

たまたま昨日、8ページの中折り冊子を自宅プリンタでつくろうということになった。これはふつうにページ単位で出力したPDFをPDF-Shufflerで入れ替え、印刷ダイアログで1枚の紙に2ページずつ印刷するように指定して両面印刷すれば、簡単にできる。PDF-Shufflerを使わなくても最初のPDF出力時に印刷順の指定で対応することもできる。ともかくも、印刷ダイアログの「ページの設定」で「段組印刷」を利用すればいいわけだけれど、ただ、ここにちょっと問題があるのは、段組印刷だと余白がやたらと大きくなることだ。そういう意味ではこれはかなり間に合わせの方法で、やっぱり本格的にはScribusできちんとしたデータをレイアウトしてやるべきだということになる。

しかし、そこまで大げさにすることもない場合、PDF-Shufflerのクロッピングを使えばうまくいくことがわかった。「段組印刷」の問題は、余白が大きくなりすぎること。だったら、PDF-Shufflerであらかじめこの余白を削っておけばいい。

ということで、ひと手間余分になるけれど、段組印刷をする段階で直接プリンタには出さず、ファイルに出力して2ページ1面のPDFを中間出力として出しておく。このPDFの余白を(クロップする大きさはパーセント指定なのであらかじめ測っておいて)、PDF-Shufflerで一気に削除する。その上でふつうに両面印刷すればOK。

ポイントは、クロップしたPDFは本来の用紙の大きさより小さくなっているので、印刷時に「ページの取り扱い」ダイアログで「印刷可能な領域に合わせる」を選択すること。そして、そのため、余白が新たに設定されてしまうから、そこまで見込んで余白を削っておくことだろう。このあたり、ちょっと試行錯誤が入ってしまうかもしれない。そういう意味では、すっきりしたソリューションではない。あくまで間に合せの方法。

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2011年06月18日

cups-pdfでWineからPDF出力

一昨日のWineで動作中のアプリケーションからPDFを出力する方法というエントリで強引にWine上のMS Word ViewerからPDFファイルを出力する方法を書いたのだが、その冒頭に、「こういうバッドノウハウはすぐに古びて不要になるとは思う」と書いた。ほとんど言い訳に近いのだけれど、早速それが不要になる方法をmasashi.Mizuno.chestnutさんにコメントで教えていただいたので、改めて記事に。これはcups-pdfというパッケージをインストールするだけの極めて単純なソリューション。

cups-pdfは、リポジトリの説明によると「CUPS-PDF provides a PDF Writer backend to CUPS. This can be used as a
virtual printer in a paperless network or to perform testing on CUPS.」つまり、仮想プリンタとして使えるということだから、WindowsでPDF出力のために配布されているPrimoとかPDF Creatorとかとほぼ同じ。

そういう便利なソフトなのになぜいままで知らなかったのかという言い訳は、これを使わなくてもUbuntuではPDF出力がデフォルトでサポートされているからだ。印刷ダイアログで「ファイルに出力する」というオプションが最初から用意されている。cups-pdfは、完全にこの機能と重複するわけで、だから不要なわけだ。

しかし、Wine上で動作するWindowsアプリケーションでは、この「ファイルに出力する」というオプションが表示されない。ということで先日のバッドノウハウになったわけだけれど、何のことはない、cups-pdfを使えばこれがあっさり解決する。

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posted by 松本 at 13:23| Comment(3) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする