もともとの出自が編集屋ということで、私は電子出版についてはかなり早い時期から関心をもってきた。Ubuntuを使い始めた頃には海外サイトを利用してPDF形式の電子書籍を作成したこともあったし、電子出版黎明期にはePub形式の電子書籍を無料配信サイトに何冊かアップした。あの頃はまだePubが縦書きに正式対応していなかった。その後、Amazonに電子書籍をアップロードできるようになり、自分でも実験しつつ、電子出版をメインで扱うブログまで開設していた。
ただ、このブログ、いくつかの要因で役立たずになってしまったので、既に閉鎖している。役立たずになった要因の第一は他のことが忙しくなって電子出版方面の情報に疎くなってしまったことなのだが、やはり電子出版の雄となってしまったAmazonの流れに乗り遅れてしまったことが大きかったなと思う。これは、笑い話でしかない。
どういう事情かというと、Amazonの電子出版システムは、日本に先行して本国のアメリカで始まった。だから、いち早くそれを試したかった私は、Amazon.comのアカウントでいろいろ実験をしていた。そのうちに日本でもサービスが始まったのだが、Amazonは世界共通だと思い込んでいた私は相変わらず米国のアカウントを使い続けていた。その結果として、日本語の電子書籍が発行できず、時代に取り残されてしまったわけだ。Amazon.co.jpのサイトならとうのむかしにサービスが始まっていると気がついたときには、いまさら私が情報を発信しなくても世間に有用な情報があふれていた。つまりは、取り残されてしまったわけだ。ああ、恥ずかしい。
ともかくも、そんな流れだからいまさらここで何を書くこともないのだけれど、久しぶりに電子書籍をいじってみてけっこう忘れていることとか新たに知ったこともあるので、備忘のために記事をアップしておこう。
とはいえ、基本的には以前にやっていた方法、Writer2ePubというプラグインをLibreOfficeに導入し、ポチッとボタンを押すだけではある。そこに至るまでのアップダウンが多少あったので、そのあたりを。
まず、AmazonのKDPは、ワープロの.doc形式の原稿を受け付けてくれる。だからワープロ打ちした原稿をそのままアップロードしてそれで終わり、とすることも可能だ。実際、最初のエディションはそうやった。KDP内の書籍詳細情報のところで縦書きも指定できるから、これだけで縦書きの電子書籍が、けっこう読みやすい形で出来上がった。
ところが、この電子書籍、目次が欠落している。目次を追加する方法もあるのかもしれないが、どうにもよくわからない。そこで目次をあらかじめ設定できるePub形式をローカルで作成し、それをあらためてアップロードしてやろうと思った。そのためにはLibreOfficeにプラグインだ。
早速探すと、eLAIXというのが見つかった。これで簡単にePubができるから、それをアップロード。ところがこれだと、縦書きの指定でも横書きになってしまう。おまけに目次も完全ではない。そこで、ePubファイルを開いて目次を手動で訂正し、さらにePubそのものを縦書きにするためstylesheeをいじって縦書きにする。これでFireFoxで確認すると、ちゃんと縦書きに表示される(ちなみに以前に入れておいたePubReaderで読めたようだ)。これでよしとアップロードするが、なぜかKDPでは横書きのまま。
ちょっと悩んで、むかし使ったWriter2ePubの方を使ったら、こっちはうまく目次も書き出せた。Stylesheetを調整してからアップロードして完成。たいしたことでもないのに、久しぶりにやるとうまくいかないものだ。
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