2012年06月03日

Wineは進化していた - UbutnuでWord、Excel 2010

Ubuntuを使っていて「便利だなあ」と思うことはあっても、不便を感じることはほとんどない。便利だと思うのはなんといってもオープンソースのアプリケーションを使い放題ということで、これは単純に無料だというだけでなく、統合されたパッケージ管理システムのおかげで欲しいアプリを見つけるのも、それをインストールするのも、なんの手間もいらないということが大きい。これがWindowsだと、ネットを検索して適当なフリーソフトを見つけて導入することになるのだけれど、それが本当に使えるのか、怪しげなものでないのかなど、だれも保証してくれない。もちろんすべてが自己責任のLinuxの世界でもだれも保証してくれるわけではないのだけれど、公式リポジトリに入っているものはそれなりに信用できる前提で進めてかまわないと思う。仮にそれがうまくいかなくても、アンインストールはいつでも可能だ。それがUbuntuのパッケージ管理システムの楽なところだ。

と、「便利なところ」にやたらと力がはいってしまったが、「不便なところ」がまったくないわけではない。そのひとつがWindowsとの互換性だ。もともとWindowsが存在しなければこんな互換性に悩むこともないわけだけれど、Windowsの普及がなければ現在の姿のパソコンもないわけで(もちろんその前にMacだとか、さらに先駆的なものもあるわけで、つまりは歴史を塗り替えることなどできないということであって)、世の中の大半を占めるWindowsパソコンとのデータのやり取りで不自由するようではやっぱり困る。

この問題は、私がUbuntuを使いはじめた頃には非常に大きかった。現在ではそれほど困ることがないのは、いくつかの要因がある。まずひとつは、何でもかんでもインターネットの時代になって、相対的にマイクロソフト独自仕様のフォーマットへの依存度が下がったこと。Webアプリではそもそもローカルに保存するファイル形式で悩む必要はない。問題の核心がブラウザの互換性に移り、OSの互換性はあまり重要でなくなった。要はFirefoxの最新版が動けばそれでいいわけだ。

もうひとつの要因は、Macの復活、そしてiOSやAndroidを搭載したモバイルデバイスの急速な普及だ。「世の中Windowsだけじゃないよ」というのが、常識的に受け入れられるようになってきた。「ウチのパソコンでは見れないんですよ」といっても、「ああMacですか」で通じてしまうようになった。これはMacのシェアがどん底にまで落ち込んでいた2000年代前半には想像もできなかったことだ。

そして、OpenOffice、後にLibreOfficeの開発陣のMS Office互換性に対する執念みたいなのも、忘れてはならない要因だ。OpenOfficeが出回り始めた2000年代前半には、MS Officeの.docファイルや.xlsファイルが読めるといっても、それは中身のテキストが判読できる程度のことでしかなかった。レイアウトの崩れはふつうで、ときにはテキストさえまったく隠されてしまって読めないことさえあった。もっとも当時のMS Officeも相当ひどいもので、編集を繰り返しているうちに原因不明にファイルサイズが増大していく(そしてそれに伴って壊れやすくなる)なんて傾向まであった。それはともかくも、OpenOffice(Libre Office)のMS Office互換性はバージョンアップごとに進化して、いまではレイアウトの崩れも単純にデフォルト値のちがい程度の、原因がほぼ特定できるケースがほとんどとなった。Windowsとの互換性で最も頻発するのがOfficeソフトのファイルのやり取りなので、これはありがたい。

それでも、MS OfficeのファイルをUbuntuで、LibreOfficeを経由せずに読みたいときはある。いくら互換性が高まったとはいえ、LibreOfficeでMS Officeのファイルを開くのは基本的にインポートなのだから、「ひょっとしたらWindows上では違って見えるのではないか」という疑念が常にまとわりつく。そして、それだけを確認するためにいちいちWindows環境を立ち上げるのも面倒だ。

ここで役立つのはWineだ。そして、Wineさえあれば、マイクロソフト純正のソフト、Word Viewer、Excel Viewer、PowerPoint Viewerの3つのビューワをUbuntu上で動作させることができる。PPTに関してはUbuntuのリポジトリにも収録されている。これらは純正のソフトだから、フォント環境さえWindows環境に合わせておけば、ほぼWindowsで見るのと同じレイアウトがUbuntu上で再現される。ということで、ずいぶん前からこの3つのビューワにはお世話になってきた。

ただし、これらも完全ではない。というのは、これらのビューワは基本的にOffice 2003ベースであって、その後のOffice 2007や2010のファイルは苦手とする。もちろん、Office 2003で2007や2010のファイルが読めるのと同じようにコンバータを介してたいていは問題なく読めるのだけれど、特にPowerPointの読み取り、さらにExcelのxlsx形式のものの一部で再現性が低下したり、読み込めなかったりするケースがある。これはあまり嬉しくない問題だ。

だったらOffice 2007や2010をUbuntuにインストールすればいいのだけれど、以前これはうまくいかなかった。曖昧な記憶だけれど、インストーラーが途中で落ちてしまったのではないかと思う。それを回避する方法もどこかに書いてあったけれど、難しそうだった。

ところが、今日、ふと思い立ってOffice 2010(とりあえずは試用版)をインストールしてみたら、うまくインストールができる。そしてちゃんと起動する。

まだあまり使っていないが、いちばん良さそうなのはExcelで、Wordはファイルを開く際になにかバグがあるようだ。PowerPointは残念ながら起動しない。なにか工夫が必要なのかもしれない。

基本的にはビューワとして使えればそれでいいので、このまま試用版を使ってもいいと思う。試用版は期限が切れたら、ビューワとして使えるとMSの公式サイトに書いてあるからだ。あるいは、「Windows のバージョンに関わらず、1 台のパソコン(メイン PC)と、持ち運び用のパソコン(携帯用デバイス)の 2 台にインストールできます。」と公式サイトに書いてあるので、Ubuntuを「持ち運び用のPC」と解釈して(ハードウェア的にもモバイルだし)、他のライセンスのものをインストールしてみてもいいかもしれない。このあたりはまだ迷っているところだ。

いろいろと機能的な不具合もありそうなのでUbuntuでMS Officeをバリバリ使うというのは考えられないが、互換性チェックにはこれで十分かもしれないと思った。
posted by 松本 at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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