2011年06月10日

ひさびさに電気屋街を歩いてきた

もともとが滅多に日本橋界隈なんて歩くことはなかったのだけれど、それでも十代の頃にはオーディオ製品を求めて、二十代の頃にはワープロを探して、そして三十代以後はMacを求めて、靴底がすり減るほど電気屋街を歩くことがたまにあった。特に田舎のほうで編集プロダクションをやっていたときには、大阪や東京に出張するたびに時間を見つけては情報収集を兼ねて電気屋を歩いた。それが、ほとんどの用事がネットで片付くようになって以来、そして同時に私のライフスタイルがあまり出歩かなくなって以来、ほとんどそういったところには行かなくなった。この10年間で数回、ごく短時間歩いた程度だろう。それももう何年も前だ。

それが、昨日、久しぶりに難波から大国町までの電気屋街を歩く機会があった。といっても目的があったわけではなく、たまたまもう少し先の施設に行く用事があったので、回り道をしただけのことだ。そして、「ずいぶん変わったなあ」と思った。そんな雑感を少し。

いや、変わったのは私の方かもしれない。確かに、昔から続いている店も何軒も見かけた。コスプレの呼びこみはずいぶんと目立ったけれど、以前から同人誌系の店が多かったのは確かだろう。少し食い物屋系が増えたかなとか、コンビニが多いなとか、そういうのはある。たぶん、小売系の電気屋は減っている。それでも、「こんなものだった」といえなくはないかもしれない。

印象として、「あそこに行けば訳のわからないものがある」という奇妙なワクワク感がなくなった気がする。いや、いまでも十分に怪しげな品物はある。例えば、MS純正Office XPが3,000円(ただしジャンク)とか。いや、Officeが3,000円は十分に安いし、こういうのは日本橋ならではだろう。ただ、「いまさらOffice買うかよ」という感じが私の中にある。同様に、以前は熱心に見た中古PCだって、たしかに同じようにずらっと並べられてはいるのだけれど、奇妙に輝きを失っている。必要以上のパワーをもった新品が4万も出せば手に入る時代に、同じような値段帯で中古品を展示されていても、気持ちが惹かれないわけだ。積み上げられたDVDの山にしても、「いまさらDVDに焼きたいデータなんてないよな」と。

UbuntuとWebが、私の中にあったアウトレットとジャンクに対する興味の質をまったく変えてしまった。そんな気がする。安いソフトを捜すよりは、オープンなソフトを試し、それを使いものにしていく工夫をするほうが面白い。ジャンク品は、「安く手に入れた」と満足するよりは、それをいかにしてUbuntuで再生できるかという方向に興味が行く。街の変化よりも、私の変化のほうが大きいのだろう。

日本橋は、何度も変化の波をくぐり抜けてきたところだ。私が知っているのは「オーディオの街」以後だけれど、戦後混乱期を生きてきた父親あたりに聞くと、また別の顔があったりもする。そういう意味で、これで終わることはないのだろうと思う。きっと、また新しい波を捕まえて、新しい情報発信の拠点となっていくんだろうなと思う。

ただ、あのコスプレは、似合わないと思う。秋葉原じゃないのだし…
posted by 松本 at 13:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 総記・雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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