2007年04月13日

インターネットラジオは大丈夫なんだろうか?

UbuntuともMacintoshとも無関係な話題。ここのところインターネットラジオを聞いているのだが、気になるのが「本当にこんな嬉しいものがいつまでも続くのだろうか?」という疑問だ。というのは、どう考えてもインターネット放送は儲かっているように思えないからだ。あちこちと局を移るのが面倒なので私は3つぐらいの局しか聞かないし、ここしばらくはその中でも1つの局に合わせっぱなしなのだが、この局の放送には、普通のラジオと同じように広告が入る。インターネット放送の発信元には個人から企業までさまざまなものがあるが、どうもこの局はもともとのラジオ局がインターネットに進出してきたものらしく(あるいはそうではないかもしれないがいずれにせよプロフェッショナルで)、番組にそつがなく、よくできている。だから、FMラジオに広告が入るのと同じように、広告が入っても違和感はない。ところがこの広告、よく聞いてみると、なんとセカンドライフで一儲けしようというベンチャー企業のコマーシャルなのだ。最初は不動産屋のコマーシャルだと思っていたが、実際にはプールつきの豪邸も豪華なデコレーションでセキュリティ完備のマンションも、すべて仮想世界の話である。こういったセカンドライフ内の商売を、現実世界のラジオで広告しているわけだ。しかし、数百リンデン(現実通貨なら数千円か?)の商売をラジオで流したって、それほど儲かるとは思えない。それでもどんどん広告を流せるのは、インターネットラジオの広告料がそれほど高くないからなのだろう。いや、いまはそれでも構わないのかもしれない。インターネットラジオは、普通のラジオ放送に比べてかかる費用が圧倒的に小さい。ハード面では極端にいえばパソコンひとつあればそれで用が足りる。しかし、ソフト面ではそうはいかないだろう。番組制作にかかる人件費は、クォリティの高い番組をつくろうと思えば普通のラジオ番組と同様にかかるわけだし、音楽のような著作物を流せば著作権料も支払わねばならない。それでも、現在のところ、この著作権料はそれほど高額にはなっていないらしい。これは、もともと音楽業界がラジオ局のオンエアによってレコードのプロモーションをしてきたという事情からそうなっているのだろうが、少なくとも私が聞いている局の発信元である合衆国では、たいした金額を払わずに合法的に放送ができるらしい。ところが、私のように質のいいMP3を勝手にリッピングする不届き者が増えてきたせいか、インターネットラジオに関してはこの著作権料を大幅に引き上げようという動きがあるらしい。すなわち、インターネットラジオでの配信はiTunesのようなオンライン音楽販売と同じとみなして、販売に準じた扱いをしようということらしいのだ。こうなったら、とても現在のような「儲からないけど経費もかからないから構わないか」というような姿勢での放送は無理になる。最終的には、そういった高額の著作権料を支払うことができるビジネスモデルを立てることができたわずかな大手放送局と、もともとそういう著作権料を支払う必要のないインディペンデントのマイナーな局だけが残ることになるのだろう。そうなると、多様な音楽を好みに合わせて選択できるという現在のインターネットラジオの魅力は半減してしまう。これはまだ流動的な動きだし、ほんの些細な問題に過ぎないのかもしれないが、私はどうも、この底流にある近年の著作権強化の動きはおかしいのではないかという気がしてならない。私の仕事は出版物にかかわるので著作権にかなり関係が深いわけだし、音楽関係の友達も多いということから自分なりに著作権に関しては思うところもいろいろとある。そんななかで思うのは、著作権の強化が作者(アーティスト)のためにあるというのは真っ赤な嘘で、実はそういったアーティストをダシにして周辺で金儲けをしたいひとの都合でしかないのではないかということだ。過去の偉大な小説の多くは、著作権の保護なんかほとんどない時代に書かれたのだし、私の友人のミュージシャンは心から喜んでくれるひとのためなら無料でだって演奏する。芸術を生み出す行為と金儲けは、たとえ芸術によって生計を立てているひとにとってであっても、本質的には無関係なのだと思えてならない。それを、たまたま芸で食っているという経済的事実があることを盾に、著作権などという横暴な権利を強化していくというのはどうなんだろう。優れた才能をもったひとは、著作権の保護なんかなくたって立派に芸で身を立てていく。著作権の保護がなければ困るのは、キャラクターを売って商売しているような、本質的には芸とは無関係な商売人だけだと思うのだが、いかがなものだろうか。そして、そんな著作権への思いは、実はLinuxを支える「知は自由」という主張と重なるところがある。だが、そっちへの深入りは止めよう。私のような「タダ乗り」Linuxユーザーがあんまりそんなことを語るのはおこがましいことこの上ないのだから。
posted by 松本 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | MacintoshでUbuntu | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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