2007年03月01日

pdfの扱いに一苦労

ひさしぶりに、軽くレイアウトをつけなければならない仕事があった。Linuxの不満な点として、以前にも書いた「軽いワープロ」のほかにもうひとつ、「まともな日本語レイアウトソフト」の不在がある。Scribusというレイアウトソフトがかなりがんばってはいるのだが、残念なことに日本語組み版への対応やユーザーインターフェィスなどの点でもう一頑張り必要。まだもう少しバージョンアップに期待しなければいけないかなと思っている。結局、「重いワープロ」であるOpenOfficeをレイアウトソフトの代用に使うという極めて野暮ったい方法で現状は対応している。正直、これはなんとかしたいと思っている。出版印刷関係以外の人にワープロとレイアウトソフトのコンセプトの違いを説明するのは難しいが、私から見ればMS Wordに代表されるワープロソフトは異様に使いにくい方向に進化してしまったように思える。同じ文書をレイアウトするのに、IndesignやQuarkのようなレイアウトソフトならずっと少ない時間で、ずっと美しい仕上りが得られる。使用方法を覚えるのもずっと簡単だ。実際のところ、いまだに私はMS WordやそのクローンであるOpenOfficeの機能で完全に掌握していないところが多い。もちろんIndesignなら完璧に知っているというわけではないのだが、IndesignやQuarkなら手探りで作業していても誤ったことに導かれる危険性が小さい。MS Wordでは、間違ったデータの作り方をすると、後で何十倍もの苦労になって帰ってきてしまう。これはがっかりする。ともかくも、文句を垂れつつも、わずか百数十ページの冊子を作るだけだから、わざわざ外付けのハードディスクを引っ張り出してきてMacintosh環境に戻して作業するまでもないと、OpenOfficeで仕事をはじめた。グラフィックな仕事ではないのでIllustrator使う必要もないし。ところが、途中でPDFでもらった画像データを貼り込まなければならない場面に遭遇した。元データがPDFというのは決して珍しいことではない。むしろ、私はPDFという標準形式が好きなぐらいだ。だが、OpenOfficeではPDFは扱えない。Indesignならそのまま貼り込めるのに、まるで昔のPageMakerのように、OpenOfficeはPDFを拒否してしまう。もちろん、こういうケースにも昔からよく遭遇している。仮にPDFが取り込める場合でも、PDFを構成している画像や文字のパーツを分解して組み直した方がいい場合が少なくない。そんなふうにPDFから文字データや画像データ、ベクターのデータを取り出すにはMacintoshならIllustratorを使う。だが、ここにきてはたと困った。Ubuntuだったらどうしよう。問題のPDFはスキャン画像だった。だから画像データだけ、JPEGか何かに落とせばいい。それだけの単純な作業なのに、PDFビュアーであるevinceでは手も足もでないし、GIMPもPDFを開いてくれない(Pfotoshopなら画像として開くことはできるのだが)。Macintoshの場合いろいろと逃げ道があって、たとえばToy ViewerというフリーソフトはPDFを画像として扱えるので、JPEGイメージに落とす場合など便利に使っていた。Unix系であるGhostScriptやCenonといったソフトでepsに変換するという方法もあった。いくらでも方法があるはずなのに、Ubuntuではそれが見つからない。Synapticを虚しくかなり探し回った。Cenonは本来Linuxだと思うからこれを使いたいのだが、(以前にも試したことがあってうまく動かなかったのだが)起動してもエラーが出て動かない。おそらくPPCに対応していないのだろう。GhostScriptのpdf2psは、Macintosh版ではGUIがあったのに、Linuxではコマンドで動かさなければならない。そういうのはコマンドアレルギーの私には困るのだが、我慢してpdf2psでまずpsデータに変換し、ps2epsでepsデータに変換するという二度手間なことをしてみた。しかし、エラーが出てうまくいかない。GhostScriptのエラーは、Macintoshでもけっこう多かった。これじゃダメだ。Linux版のIllustratorと期待されているInkscapeではどうかと思ったが、これもPDFは読んでくれない。xpaintとか、以前試して動かなかったXaraとか、いろいろやってみたが全滅。そんなことをしながら、「前に何か同じような状況でゴマカシを打てたと思うんだが」という思いが頭からはなれなかった。まさかスクリーンショットをとってそれをGIMPでつなぎ合わせるなんてことじゃないだろうな(最悪この手段は可能だとわかってはいたが、面倒で野暮ったい)、なんてことを思って、ふっと、KPDFでPDFを開いてみたら、AdobeのReaderと同じで、KPDFにはPDF内のテキストや画像をコピーするオプションがある。「なんだ、これでいいじゃないか」と、画像を選択して別ファイルでJPEGに保存して、一件落着。数時間を無駄に潰してしまった。こういうふうにみてくると、Linuxはまだまだ発展途上だということがよくわかる。Linuxだって不可能じゃないはずなこと、それほど難しいはずではないことが、ちょっとしたことなのにできなかったりする。それは、デスクトップ環境を使うユーザーがまだ圧倒的に少なくて、そういうちょっとしたことをする需要がまだまだ小さいからなのだろう。Linuxのプログラマだったら、PDFを細工するソフトを書くぐらい朝飯前だと思うのだが、(少なくともUbuntuのPPC版では)痒いところに手がとどくようなソフトがない。誰か書いてくれたら、私は感謝するのだけれどなあ。
posted by 松本 at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | MacintoshでUbuntu | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

私の場合、企画書とかオリエンシートを作るレベルなので・・・Adobe PDF ReaderでPDFファイルのキャプチャボタンで範囲選択してクリップボード経由でImpressとかInkscapeに貼りまくってます(^_^;
問題は、Impressの場合、形式を選択して貼り付けても、ビットマップでしか貼れない点です。pptで出来るみたいに背景が透明なpngで貼りたいんですケド・・・
(2007/03/06 00:40:44)

AUTHOR: 松本
EMAIL:
IP:
URL:
DATE: 08/01/2007 00:00:00

u-bonさん、コメントありがとうございます。PDFの件ですが、これはPCユーザーにはわかりにくいことかもしれませんが、Macintosh(PowerPC機)でLinuxをやる場合の弱点としてAdobe Readerが対応していないということがあるわけです。Readerが使えたら、私ももっと早い段階でコピー&ペーストで逃げたわけですが。こういう「少数派の悲哀」は、Macintoshユーザー(元)にはつきものです。背景透明(αチャンネル)は、私もプレゼン書類を作る際には苦労させられるところです。以前には、epsがαチャンネルに対応しているのでMacintoshのIllustratorで画像を作ってWindows環境でPPTに読み込むという方法を使うことが多かったのですが、ubuntuに移行してからはまだ試していません。あとαチャンネルが対応しているのはGIFとTIFFの一部だったと思いますが、OpenOfficeの場合、どれが有効でしょうね。本文記事でも書きましたが、オフィス系のソフトはどうしてもこういうグラフィックの扱いが中途半端に難しくて困ります。コツはあるんでしょうけど、レイアウトソフトなら何も考えずに作業できるので。(2007/03/06 09:01:46)

AUTHOR: Maxさん
EMAIL:
IP:
URL:
DATE: 08/01/2007 00:00:00

> Ubuntuについての記事もけっこうあるブログです。
個人的な知り合いが書いてるのかなとも思うけど、未確認。文体がよく似てるんで。ええと...隠棲場所を突き止められてしまいましたか。
PPC-Ubuntuユーザになっていたとはちょっとおどろきです。ともあれ、ゆるゆるとよろしくです。
(2007/03/06 12:12:02)

AUTHOR: woodyさん
EMAIL:
IP:
URL:
DATE: 08/01/2007 00:00:00

はじめまして。楽しく読ませてもらっています。
PDFからJPEGなどに変換する作業についてですが、ImageMagickという画像編集ソフトがあります。これはコマンドラインから使うものですが、使いかたも簡単ですし、かなりいろいろなタイプの画像に対応しているので便利です。
たとえば、PDFからJPEGなどに変換するときは、
convert hoge.pdf hoge.jpg
と打つだけです。
identify -list format
と打てば、対応しているフォーマットが表示されます。
ただ、あくまでGUI主義という方にはお気に召さないかもしれませんが。僕も先日iBookG4にUbuntu入れました。Blogが終わってしまうのは残念です。(2007/03/07 09:33:39)

AUTHOR: 松本
EMAIL:
IP:
URL:
DATE: 08/01/2007 00:00:00

woodyさん、
教えていただいてありがとうございます。私はもちろんコマンド恐怖症なのですが、どうしようもなければ顔をひきつらせながら打ち込みますので、ありがたい情報です。
早速試してみましたが本文で書いたpdf2psを使ったときと同じエラーが出ました。GhostScript系のこのエラーはMacintoshのときにも何度かお目にかかっているので、おそらくPDFのバージョンか何かの問題だろうと思います。同じPDFでも、データの作り方によってはGhostScriptが扱えないものもあるのではないかと思うのですが、このあたり、よくわかりません。ともかくも、選択肢がひとつ増えたということで、勉強になりました。(2007/03/07 10:58:15)
Posted by u-bonさん at 2007年08月01日 00:00
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック