2011年02月19日

Scribusで小冊子作成

仕事、というわけでもないのだけれど、毎年この時期に12〜16ページの小冊子をつくるタスクが発生する。プリンタでつくる関係上、B6かA6の小さな中綴じホチキス止めのものだ。きちんとしたページ物以外にこういうのをつくる必要は、昔にはずいぶんとあった。その頃はQuarkかPageMakerでチャチャッとやってしまったものだ。
それが、3年前から始まったこのタスクでは、けっこう苦労している。去年はOpenOfficeでレイアウトしたものをPDFを出力してそのページ順を並べ替える方法をとった。それはそれでわるくはないのだけれど、いまひとつスマートではない。やっぱりこういう作業はレイアウトソフトに勝るものはない。そこで、かなり使えそうになってきたScribusを使ってレイアウトをつけてやることにした。
Scribusは、英語圏ではLinux定番のレイアウトソフトとして、一部では商用印刷にも用いられていると聞く。けれど、日本であまり実用例を聞かないのは、日本語への対応が進んでいないからだ。対応が進んでいないからユーザーが増えず、ユーザーが少ないから開発者も出てこないという状況なのかもしれない。具体的には、縦書きとルビがレイアウトできず、さらに、日本語禁則処理や日本語組版に対応したカーニング処理、ぶら下げ処理などが抜けている。さらに、テキストエディタでの日本語入力にも難がある。レイアウトしながらちょっとしたテキストの入力や修正ができないのは、やっぱり編集上、非常に窮屈なわけだ。
けれど、それ以外の面では、一時代前のQuark Xpress程度には柔軟性がある。レイアウトソフトに求められる基本的な機能はしっかりしているわけだ。だから、商用ではない今回のような小冊子を組むぐらいなら、まずできなくはないだろうと思ったわけだ。

Scribus上ではテキストの編集はしたくないので、まず、原稿は別途テキストエディタで完成しておいた。Scribusを立ち上げ、用紙を設定して書類を開き、ここのテキストボックスに流し込む。今回はほぼベタ組なので、新規作成時に「自動テキストフレーム」にチェックを入れておくと、全ページに版面に合わせたテキストボックスが自動生成され、ページ順に連結されることになる。ただ、これに気がついたのは後になってからだったので、実際にはテキストボックスを手動で配置し、手動で連結してやることになった。連結の方法が最初はわからなかったのだけれど、標準のツールバーに「テキストフレームを繋ぐ」アイコンがちゃんと用意してあった。このあたりの操作性は、昔のQuarkとよく似ている。
流し込んだテキストは、「編集」メニューの「テキストを編集」(Ctrl+Y)を開いてスタイルの適用をしてやる。特に、段落設定に関しては個別の設定がなく、スタイルで設定してやるしかないようなのでここでしっかりやっておく必要がある。文字設定は個別にも設定できるから、心配はない。考えてみれば、その方がレイアウトソフトの正しい操作に準拠しているような気もしないでもないし。
さて、編集したテキストを反映させて、レイアウト画面に戻る。すると、禁則処理ができていないから、禁則文字が行頭に来ているところがところどころにある。これに関しては、該当する1行もしくは数行の文字を選択しておいて、F2でプロパティ画面に入る。プロパティのタブの「テキスト」のところからカーニングが指定できるので、手動でツメ処理をする。プロパティは画面サイズに余裕があれば出しっぱなしにしておいてもいいけれど、ページが切り替わるとタブを出しなおさなければいけない。このあたりは、ちょっと面倒に感じた。
書式設定さえうまくいっていれば、あとはだいたい、このツメ処理でうまくレイアウトが完成する。一応、そのあたりは感覚的に計算できるわけだ。昔とった何とやらである。テキストは完全にしたつもりだったけれど、やっぱり途中で多少は修正が入る。これは、いちいちテキスト編集画面に戻らないと処理できない。特に、日本語入力の必要がある場合は、別途他のエディタ(geditなど)で入力してコピー&ペーストしてやるほうが安全だ。そこまでの修正でない場合は、レイアウト画面でコピー&ペーストすればそれで何とかなる。たとえば句読点とか平仮名、よく出てくる漢字なんかは、近所からコピペで拾って来る方が手早くWYSWYGで対応できる。なんだか、昔の写植の切貼りを思い出してしまう。
さて、レイアウトが完成したところで、面付けに移る。今回は、A6の書類をまずレイアウトしたけれど、これをA5かA4に面付けしたほうがプリンタでの出力に適している。大貼りのページ配置はあらかじめ折でわかっているから、A4の新規文書を立ち上げ、元文書のテキストボックスをコピーし、それぞれ正しい場所に貼りつけていく。どういうわけか吸着がうまくいかなかったので配置を正しく数値指定する必要があったが、これはやっぱりF2のプロパティでX座標、Y座標の指定ができるから難はない。こうやって面貼りすると、各テキストボックスのリンクが切れる。リンクが切れたことによる段落化でちょっとレイアウトが崩れる箇所もあるけれど、それは改めて手動で訂正。こうやって完成したレイアウトを、PDF出力して、全て終了。
Scribusは、UbuntuのリポジトリではStableとNGの2種類が提供されている。最新版はNGということになる。たいていは両方を試しているのだけれど、今回はStableで作業した。今回の作業程度のことであれば、NGでもほぼ同じようだ。日本語まわりに関しては、2つのバージョンでほとんど変化はないといってよさそうに思う。
OpenOfficeでのレイアウト作業にもだいぶ慣れてきたけれど、こうやってレイアウトソフトを使ってみると、改めてレイアウトソフトの柔軟性に感心する。Indesignはもとより昔のQuarkやPageMakerよりも機能的には劣る部分もときどき感じるScribusだけれど、「フレームをつくっておいてそれを配置していく」という発想の処理は、ワープロソフトとは根本的に違うのだということがよくわかる。Scribusの今後の発展に期待したい。
posted by 松本 at 11:18| Comment(0) | Ubuntuのアプリケーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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