2020年10月29日

正体不明の中華PCを買った

正体不明と言っては失礼になる。ALLDOCUBEとロゴが入ったkbookという機種は、確かにWebを検索するとレビューが出てくる程度には、しっかりと日本でも販売されている。私は中国の通販サイトで買ったのだが、少し型落ちのせいか投げ売り状態になっていた。型落ちというのは、オンボードのメモリが4GBでCPUも非力だからだ。アマゾンなんかで5万くらいで売られていた機種は筐体やディスプレイはほぼ同じでメモリもCPUも十分なもののようだから、これは下位機種で、あまりに使えない性能のために売れなかったのだろう。2万6千円ぐらいで購入した。もう売っていないから、無事に売り切ることができたのだろう。
なんでそんな安物を買ったのかといえば、それは安かったからというに尽きる。4年近く愛用を続けてきたDellのVostro 14は、そろそろガタがきている。タッチパッドは物理的にクリック部分が反応しなくなったし、バッテリも急速にもちが悪くなっている。以前はフルに使っても5時間ぐらいはもったものが、3時間もたなくなってきた。負荷をかけたら2時間もたない。これではモバイルに使えない。もともとちょっと重くてモバイルに持ち出すのは負担だったのが、ますます躊躇させるようになってきた。さらに、ディスプレイの汚れ・傷が蓄積してきて、もともと解像度があまり良くない機種だから、Web会議システムを使ったオンライン授業のときにどうにも見づらいと感じるようになった。
安物でもいいから新しいモバイル用パソコンを買おうと思ったのは、そういう不満が溜まってきていたからだ。Dellはハードディスクを交換して1年弱だし、もう1年ぐらいは使いたいと思った。というのも、世界の経済成長に取り残されたせいか、10年ぐらい前に比べてそこそこの性能のPCの価格が割高になってきているように感じるからだ。以前に買ったDell、Acer、Asusのノートパソコンは、いずれも4万円程度で、ハイスペックではないがある程度の重い作業でもこなせる程度の性能はもっていた。同じくらいの値段でいくらでもPCは売っているが、いずれも低スペックで、せいぜいがWeb閲覧とオフィス系の作業程度に間に合うだけだろう。それでもかまわないといえばかまわないのだけれど、グラフィック系の作業や音を扱う作業ではどうしても不足が生じる。そこに間に合わせようと思うと8万円ぐらい必要になる。わずかそのぐらい、といえないのが、たいした売り上げのない自営業者のつらさだ。だったら、現在のDellを延命させて、いっそ低スペックに振り切った安物で不足する部分を補えばいい。モバイル性能やグラフィック性能なら、低スペックでも新品なりのご利益はあるだろう。そう考えて、最安レベルの2万円台のPCを漁った。目に止まったのが、このkbookだ。
なぜこれが目を引いたのかといえば、それは2000×3000の解像度があるディスプレイだ。このレベルのノートパソコンで、これだけの解像度がある機種は他に見当たらない。なにしろ、スマホの小さい画面にHDレベルの解像度を詰め込んだ高品質の画像が標準になっている時代だ。そういうのに目が慣れていると、パソコンのディスプレイの解像度はいかにも物足りなく感じる。通常の3倍の解像度になるわけだから、これは魅力だ。思わず注文ボタンを押してしまった。
中華圏からの発送だから、到着には時間がかかる。その到着までの数週間で、早くも私は後悔を始めていた。後悔はしたけれど、Dellの方はどんどん不調になる(結局これはひとつ前のエントリで報告したとおり、時計電池の寿命だったようだ)。やはり新しいPCは必要なのだ。そして、到着してパッケージを開き、起動してかなりワクワクした。やっぱりディスプレイは美しい。そして、見たところ、きちんと動く。きちんと動くことで感動するレベルだというのもどうしようもないが、怪しげな中華PCだから最悪だって想定する。少なくとも即返品ということはない。
そしてUbuntuのインストール。こちらもあっけないほどうまくいく。SSDということで「ひょっとしたらダメかも」とも思っていたのだが、AcerやDellよりもトラブルがない。ある意味、メーカーの小細工のない、ストレートな造りになっているのかもしれない。
しかし、「いいな」と思ったのはそこまでだった。ストレージの容量が小さいので、完全な移行は無理だ。それでもDellで運用しているそのままを再現しようとしたら、一気に動きが悪くなった。まるで1990年代のMacのように、処理待ち時間が発生する。Web会議システムのZoomを入れてみたが、動きがカクカクしてお話にならない。システムモニタで見てみると、メモリの使用量は常に80%付近でスワップも満杯。CPUの使用も天井に貼り付きと、「そりゃ、処理待ちも発生するわ」という状態。
思い立って、Windowsを使ってみることにした。使ってみると、こっちのほうがまだ動く。やっぱり近頃のPCはWindowsに最適化されてるのかもしれないとも思った。しかし、しばらく使っていて、どうやら様子がつかめてきた。Windowsでは完全にこれまでの使い方を再現できないので、同時に使用するアプリの数が少なくなる。だから動きがマシになる。結局、いっぺんにあれもこれも同時に走らせる私の使い方にマシンが耐えていなかっただけのようだ。
それなら、Linuxのほうに歩があるだろう。というのも、Linuxには低スペック用のデスクトップ環境があるからだ。LXDEまでいかなくても、Xfceならだいぶ改善するはず。ということで、Xfce環境で、ブラウザひとつ開き、ワープロ作業をするぐらいの感じなら、それほどのストレスも感じないことがわかった。そして、その程度におさえておけば、Zoomだって動く。人間のほうが使い方を考えてやれば、機械はそれなりのことをしてくれる。

ということで、どうにかこうにかOKを出したいのだけれど、やはりそこはさすがの安物、それ以外にも難点が出てくる。Wifiが安定しないのだ。というよりも、はっきりと不具合がある。そしてさらにわるいことに、その不具合の再現性がない。これは困る。
1ヶ月弱使った頃だったと思う。突然、Wifiが繋がらなくなった。ただ、予期していないわけではなかった。「来たか!」という感じだ。というのも、私が購入したサイトと別サイトのレビューで、やはり使いはじめて1ヶ月でWifiが繋がらなくなったという低評価のコメントがあったのを見ていたからだ。初期不良が頻発する機種なのかもしれない。これは交換だな、と思った。
ただ、仕事に使う機械だから、とりあえずは使わなければならない。そして、モバイルならWifiがなくても同じだということに気がついた。というのも、Bluetoothでスマホのテザリングに接続するからだ。返品の手続きをする時間がとれるまでこれで誤魔化しておこうとネットワークをBluetoothで使い続けていたら、また突然のようにWifiが復活した。あれ?と思って、返品の理由もなくなったので使い続けていたら、また繋がらなくなった。おかしいと思ってWindowsに行くと繋がる。ということはこれはLinuxがよくないのかと思ってしばらくWindowsで使い続けていたら、また繋がらなくなった。じゃあ、Bluetoothで誤魔化すからとLinuxに移ったら、しばらくしてまた復活する。ひょっとしたらBios設定かもといろいろ試してみて、「あ、これで治った!」と思ったこともあったが、10日ぐらい順調に繋がったあと、また不調。「やっぱり返品か」と思ったら、また復活と、たちが悪い。不具合が再現しないときに返品しても埒が明かないし、どうにも困ってしまう。
そして、そうやって使っているうちに、なんとなくこの機械、手に馴染んできた。しょせんMacBookのコピー機種であるのだけれど、まあよく似せてつくっていて、仕上がりはわるくないのだ。キーボードの打鍵感もそこそこだし、処理速度に難があるといってもWeb閲覧に事務仕事程度ならかまわないといえばかまわない。Dellをメインマシンとして温存しているので、モバイル専用とするならそれ以上のことは必要ない。そして、いよいよDellが不調なときには、Zoomを動かすこともできる。なんのかんのいって、現状にはうまく落ち着くのだ。
ということで、これで1年ほど誤魔化してみようかという気になっている。長くはもたないかもしれない。2台持ちの不便さもある。ただ、オンライン授業が増えたここしばらくの自分の仕事状況を見ると、2台持ちの不便さよりも2台あることの利便性のほうが勝つ。まあ、こんなものかなあと思う。
よくわからないが、しばらくこれでいってみようと思う。


posted by 松本 at 09:05| Comment(0) | 総記・雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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